山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

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Tag: 双六岳 双六山楽共和国

双六より

双六岳から三俣蓮華岳への周遊コースを歩いてきました。

このコースは昨年実施して好評だったため今年も行いました。

天気も安定しており、のんびりムードで双六山楽共和国を満喫してきました。

のんびりムード


双六小屋の若旦那の小池岳彦さんといろいろお話しする機会がありました。
最近の北アルプスでの傾向という話になり…。

                        ①若者、とくに学生が増えた
                        ②でも学生は結構軟弱になっている
                        ③テント泊が増えた
                        ④女性単独行が増えた
                        ⑤子供が増えた
                        ⑥双六周辺のライチョウ・オコジョ・ホシガラス・ネズミが減った

                                                       などが挙がりました。

①は昨今の山ブームが影響しているのでしょう。

「岳」や「孤高の人」などの漫画のヒットも要因の一つではないでしょうか?

高校生が以前の3倍以上の数になっている感じがします。


②は今の世の中の流れを反映しているといえます。

ゆとり世代で昔のような上下関係の厳しさ、規律などはなくみんな仲良く和気あいあいといった感じです。
例を挙げるとテント泊だけど山小屋の食事を頼む。悪天だとすぐに山小屋に逃げ込んでくるといった具合です。

私の学生時代は山小屋に近づくことすら許されない風潮さえありました。

テント泊は寝場所も食事もすべて自分で賄うというのが、達成感や充実感を与えてくれそれが魅力だと思うのですが…。


③は①の要因で若者が増えたということが大きいでしょう。
テントなど装備の軽量化が進んだということもあります。

「岳」の「三歩」の生活に憧れがあるという可能性も高いです。


④は当然、山ガールブームが下地にあります。

北アルプスは山小屋が多く、歩いている人も多いので安心ということもあるでしょう。
これが人気のない南アルプス深南部ともなれば出会う確率は皆無です。

文太郎の影響を受けた可能性は低いでしょう。


⑤は当たり前ですが、子供を連れてくる親が増えたということです。

子供に山登りをさせることは自立心を養う上で良いと言われていますし、感性も豊かになるでしょう。
その後山が好きになるかどうかは別問題ですが、好きになる下地は作れるでしょう。

親の過度な期待は報われないことが多々あります。
「子供のころは大好きだったのにね~」なんてよくある話です。


⑥は地震の影響かもしくは温暖化の影響でしょうか。

そういえば昨年、毎日のように見ていたホシガラスが今年は鳴き声を一度聴いたきりで、まったく見ません。

何が起きているのでしょうか?彼らがいなくなるのはさみしい限りです。


帰ってこ~い


まとめると、山が好きな若者が増えた。そして、様々な人が様々なスタイルで山をたのしんでいるといえるでしょう。

単なる一過性のブームではなく文化として定着するといいのですが…。

ガイドとしてはマナーやスタイル(登り方)で見本を見せ登山界全体を良い方向へ導くというのが一つの役割かもしれませんね。


今回は石田登山塾日誌風に分析してみました。

http://ishidatozanjukunisshi.blogspot.com/


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