FrontPage/2014-09-02
憧れのジャンダルム
初めて上高地を訪れて、河童橋から見上げる穂高連峰の険しい稜線。
多くの観光客にとっては別世界の光景。
登山者にとっては奥穂高岳ぐらいなら少々経験を積めば誰でも行っちゃう。
でもその先、「ジャンダルム」となると一般登山者にとっては最終目標ともされる頂となる。
その名もなんとなく厳めしい。
そこへ行くには、「馬の背」や「ロバの耳」なんて恐ろしげな難所もあるらしい。
近くて遠い、「ジャンダルム」。
今回は満を持してのチャレンジとなった。
西穂高岳の山頂を後にすると、そこからは未知の領域が始まる。
天は晴れわたり、風も爽やかで絶好の縦走日和となった。
雨天の間隙をついての縦走だったので、すれ違う人もわずかで快適の一言。
岩も脆いし、急な鎖場も連続する。
もちろんスリップは許されない。
難所をいくつも越えていく。
振り返れば信じられないほどの絶壁であったりする。
一歩、一歩慎重に歩みを進める。
途中、最大の難所となった「ハリネズミの背」(仮称)。
高度感満点の岩場が続く。
「コブ尾根の頭」へのうんざりするほどの登り返しを終えると、憧れのジャンダルムは目前。
当然、直登ルートより簡単なクライミングで「テッペン」へ。
「ジャンの天使」は今日も私達を祝福してくれた。
振り返れば越えてきた岩峰。
見る角度によって、その姿が大きく変わる。
混み合う穂高岳山荘をあとにして、涸沢カールをのんびり下る。
未だに残る雪渓の際には、遅咲きのハクサンイチゲやチングルマが夏の終わりを謳歌していた。
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