山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

FrontPage/2015-03-10

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金峰山


日本列島の南岸を通過した低気圧が急速に発達し、この時期には珍しく強い冬型気圧配置を作り上げました。

予定していた上越の山は当然、厳しく(おそらく猛吹雪)好天の見込みのある奥秩父の金峰山へ足を運びました。


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夏場はクライマーやキャンパーで賑わう廻り目平も静まり返っていました。

アプローチの林道も重い雪のせいで枝が垂れ下がっていく手を遮っています。


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途中に現れる岩峰も雪をかぶって人を寄せ付けない佇まいです。

もっともそれを感じさせるのは重苦しい天気のせいであったかもしれません。


時折、青空も垣間見えていますが雲の流れは早く、目指す山の方には黒っぽい雲が厚くかかっていました。


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尾根道に取り掛かり高度を上げていくと木々の隙間から瑞牆山が顔を出しました。

周りの山々とは異質な山容を持つ山です。

大ヤスリ岩が一つ大きなシンボルとして聳えています。


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大分、青空を占める割合が増えてきましたが、たまに非常に激しい風がきます。

そうすると枝葉に積もった雪や地面の新雪が辺りを暗くするほど舞い上がって目も開けていられないほどになります。


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金峰山小屋を過ぎると森林限界を抜けて風がまともに吹き抜けるようになります。

舞い上がる雪煙が雪山の厳しさと美しさを演出してくれます。


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困難を越えて立つ山頂はいつもより大きな感動を与えてくれるものです。

顔を上げていられないほどの風が吹くこともありましたが、収まるときもあって少しずつ山頂へとステップを刻みます。


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五丈岩に肩を並べる高さまで登ると山頂の標識をすぐ近くに確認することができました。

稜線の向こう側には甲府盆地が見下ろせて、その一番奥に頭を少しだけ雲で隠した富士山が大きく見えていました。


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山頂で喜びのガッツポーズで記念撮影するのもつかの間、急激に天気が変わり始めて吹雪の様相になりました。

まだ視界があるうちに、トレースが消えぬうちにと足早に山頂をあとにしました。


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森の中に入ると先ほどまでの風がうそのように穏やかでほっと一息つくことができました。

晴れ間もふたたび戻ってきて振り返った金峰山の山頂が白く輝いていました。


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