山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

FrontPage/2015-09-16

Top / FrontPage / 2015-09-16

Tag: キーワード1 キーワード2

白根南嶺


大門沢小屋で水を沢山積み込んで急登を駆け上がると背後に富士山が顔をのぞかせていた。


essential-line

馴染み深い白根三山に背を向けて白根南嶺と呼ばれる稜線へ足を踏み入れる。

途端に道はあやふやになって行き交う人の姿は見られなくなる。


essential-line

広河内岳は南嶺の入口に鎮座する。

大井川源流の対岸には塩見岳が大きく独特の存在感を示していた。


essential-line

大らかな起伏を持った稜線を行く。

振り返ると見慣れない姿の白根三山が並んでいる。


essential-line

ピラミダルな間ノ岳の傍らに鋭い北岳の山頂部が顔をのぞかせていた。

仮にこの稜線の中ほどに小屋があれば歩く人は十倍になるだろう。

それほど心地よい稜線。

北アルプスでいうところの蝶ヶ岳の雰囲気に似ている。


essential-line

往く道には紅葉した葉に大きな実をつけたクロマメノキがどこまでも広がっていた。


essential-line

真っ赤な葉っぱに青々とした大きな実を沢山つけていて食べきれないほど。

のんびりと味わいたいところだが道のりは長いので先を急ぐ。


essential-line

笹山の山頂へ行き着くとあたりを覆い始めていたガスが、ひとときだけ流れて周りの山々が姿を見せてくれた。

これほどの展望と素晴らしい稜線を独占できるのは最高の贅沢。

このひとときは重い荷のことなど頭から消え去ってしまうのだった。


essential-line

笹山から南は劇的に藪が濃くなって歩く人は稀なようだ。

背丈を超すハイ松を右往左往しながら進んでいく。

しばらく進んだところでちょうど良いテン場があり雨も降りだしたので幕を張る。


以降は秋の冷たい雨がテントを叩きつづけた。


翌日は濃い藪と不明瞭な道を雨のなかひた歩き、南アルプス南部のオアシス・二軒小屋へと逃げ込んだのであった。


コメント


認証コード(1295)

powered by Quick Homepage Maker 5.3
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional