山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

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2011/1/27 (木)

180°SOUTH

本日は映画を観に行ってきました。

「180°SOUTH」という映画です。

画像の説明

〈あらすじ〉
   
1960年代の初め、パタゴニア創業者、イヴォン・シュイナードは登山道具を作っていた。
自分のために趣味で作っていたが、製品の機能が優れていたため評判になり仲間を集めて工房を設立。
1968年のある日、親友のダグ・トンプキンスが南米パタゴニアの山を登らないかとイヴォンに声をかけた。
2人はすぐに意気投合し、サーフボードや登山道具、旅を記録するための15ミリのカメラをバンに乗せ、南米へ向かう。
当時人気がなく全くの未開地だったパタゴニアの自然は2人の男に衝撃を与え、その後のイヴォンとダグの人生に大きな影響を及ぼす。
それから40年近くの時が流れ、彼らの生き方に魅せられた1人のアメリカ人青年が、伝説の旅を追体験していく。
1960年代の終わりに、2人が旅から得たものは何だったのか…?

上の文章を読むのが面倒な方はこちら

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=Jwm1HADZMYM

美しい映像と音楽。そしてロマンを感じさせる作品でした。
また大自然へと向かう純粋な気持ちを改めて思い起こしました。

また環境問題についても考えさせられます…。
自分には何ができるのか?

「人は皆、後戻りできないと言うが、もし目の前が崖なら―――――
        そのまま突き進むか、回れ右をして前に進むか、どっちがいいと思う?」

「世の中のほとんどの問題は方向転換すれば解決する
              欠陥のあるシステムを維持する必要はない」


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2011/1/25 (火)

舞姫ノ滝

鋸岳の麓、戸台川の支流に懸かる舞姫ノ滝を登ってきました。

この周辺には舞姫ノ滝舞鶴ルンゼ鶴姫ルンゼとありややこしいです。

舞姫ノ滝

これは取りつきのF1の滝。


その奥にあるF3が舞姫ノ滝の滝の核心部です。

落差は35mほどで、出だし10mが80°。中間部の5mが90°。上部の20mが45°~60°です。

陽が良く当たるので、刺さりやすく快適な氷でした。

他に入山者はなく静かなクライミングを楽しみました。


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2011/1/24 (月)

Patagonia Men's Stretch Element Low Bibs

おすすめアイテムの紹介です!!


冬のアウターは何にすればいいか?

皆さん悩んでいる方が多いことでしょう。


私のおすすめ一押しはこれです!

Patagonia Men's Stretch Element Low Bibs
(パタゴニア・メンズ・ストレッチ・エレメント・ロー・ビブ)

Patagonia Men's Stretch Element Low Bibs
http://www.patagonia.com/jp/product/patagonia-mens-waterproof-stretch-element-low-bibs?p=85035-0-759

ソフトシェルに匹敵するほど優れた透湿性を誇る、3層構造のフルストレッチの防水性/透湿性。

胸当て部分にはラミネート未使用の透湿性に優れたソフトシェル素材を使用し、ハーネス着用時もかさばりません。

パタゴニア
}}&br; LEFT:                         私は年末の飯豊連峰縦走で着用しましたが、快適の一言!&br;                 ① 軽い! ⇒ わずか''674g''&br;                 ② しなやか ⇒ ストレッチ性が良く、猛ラッセルでもストレス無し!&br;                 ③ 雪が侵入しない ⇒ 胸当てがあるのでどんなにもがいても全く雪が入らない!&br;                 ④ 濡れない! ⇒ 飯豊の湿雪でも全くインナーに染みてこない撥水性。&br;                 ⑤ 蒸れない! ⇒ 標高の低い飯豊のラッセルでもムレムレにならない透湿性。&br;                 ⑥ かさばらない! ⇒ 薄くしなやかな素材で畳んでしまってもコンパクト。                             ハーネスを着用しても腰部分にベルト等ないので干渉しない。&br;                 ⑦ 服が出ない! ⇒ 胸当てがあるのでダイナミックなムーブでも上着の裾が出ない。                                ''おへそも冷えません!''&br;&br; CENTER:縦走中にストレスを感じることは全くありませんでした。&br; ちなみに私は身長170㎝、体重60kでサイズはSでピッタリでした。&br; 購入して損しない一着です!&br; #html{{
パタゴニア

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2011/1/21 (金)

千波の滝

今年は冷え込みが続きアイスクライミングの当たり年と言われています。
最近の暖冬では氷結稀な「千波の滝」へ行ってきました。

千波の滝

道路からもよく見えます。

落差は80mと案内の看板に書いてあります。
実際、登るとロープをいっぱいに伸ばして3ピッチの登攀。

千波の滝

アプローチで早めに沢に降りたため、手前の20m~30mの滝を二つ登りましたが、
かなり氷が薄く、水流がジャージャー流れていました。

登れるギリギリのデリケートな状態でした。

取りつくと先行に二人組のパーティーがいました。

千波の滝

氷の状態は良好でピックの刺さりが良く登りやすい感じ。
全体的には階段状のところが多く、スタンス(フットホールド)が得やすく
安定して登れます。

パートナーは今シーズン初氷だったので、全ピッチリードしました。
スケールも大きく、快適な登攀でした。


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2011/1/20 (木)

大洞山~ボッコの頭~大沢山

1月20日は中尾根から大洞山へ登りボッコの頭、大沢山と縦走しました。
冬晴れの中、落ち葉を踏んで楽しく歩けました。

画像の説明

大洞山は簡単に言うと、笹子峠と三つ峠の間にある山です。

送電線の巡視路を利用して中尾根へあがると登山道があります。
やや複雑な地形ですが、アップダウンをしながら上り詰めると稜線の
「カヤノキビラノ頭」へと出ます。ここから「大洞山」までは一投足。

画像の説明

大洞山から一下りすると「摺針峠」。
賑やかな道標があります。

画像の説明

ヒィナーレは「大沢山」で富士山がどーんと迎えてくれます。
風の冷たい一日でした。


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2011/1/19 (水)

夢のブライダルベール

「夢のブライダルベール」。素敵な名前です。

画像の説明

北岳の登山口、「広河原」の近くにある荒川出合にある氷瀑の名前です。
落差は150m。登りごたえたっぷりです。
夜叉神峠から日帰りで登ってきました。

画像の説明

中間部の氷柱はなかなかてこずりました。
もう少し、というところでアクシデント発生。
その後は地獄が待っていました!


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2011/1/15 (土)

SNOW PARADISE EPISODE.8 (厳冬期飯豊連峰縦走記)

静かな朝だった…。

いつものように天幕が雪に埋まってしまったのだろうか?

外へ顔を出してみると積雪は数cm程度である。

空は明るく穏やかである。
無風快晴であった。

朝焼けに染まる山々
朝焼けが稜線を薄紅色に染めている。
山々は美しく輝いていた。

くさいぐら尾根
昨日あれほど我々を苦しめた「くさいぐら尾根」もはっきりと姿を現している。
皮肉なことに我々が撤退した翌日は絶好の縦走日和となったのだ。

ダイグラ尾根から陽が昇る
朝日が「ダイクラ尾根」から顔を出す。
久しぶりの太陽の光であった。

辺りは眩しいほどの光に包まれ、雪に覆われた山々が遥か遠くまで望まれる。

高度を落とした尾根は、雪は深くいまだ大きな雪庇を張出し油断はできないが、
大分歩き易くなり、気分も軽やかである。

左右に梅花皮川と玉川の流れが近づいてくると「温身平」はすぐであった。

ここまで林道があり、夏季はバスの便がある飯豊山荘まで30分の距離であるが、
今は雪に閉ざされ雪原が広がっている。


黙々と林道を歩く。

膝くらいまでのラッセルだが、時折、腰くらいまで潜る。
雪は重い。気温が上がるにつれ更に重くなる。

飯豊山荘を過ぎてもまだまだ林道のラッセルは続く。
起伏がなく単調な分だけ、精神的につらい道のりである。

わずか5.5キロほどの道のりであるが、6時間ほどを要した。

美しい北股岳…
ふり返れば北股岳が大きく美しくたたずんでいた。


思えば冬山の厳しさと美しさをまざまざと思い知らされた山行であった。

重荷にあえぎ、1日歩き続けてもわずかな距離しか稼げない。
大量の雪につぶされそうになる。
吹雪に脅かされ、進路を見出すのも困難。
泳ぐように雪にもがき苦しんだ。

そこに華やかさは全くない。

しかし、そこには厳冬期の飯豊連峰を歩いた者にしか分からない魅力があった。

そこに刻んだ一筋のトレースがそれを証明してくれているようであった…。

長者原はもうすぐだ!


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2011/1/14 (金)

SNOW PARADISE EPISODE.7  (厳冬期飯豊連峰縦走記)

入山4日目。吹雪の中、夜明けを迎える。

今日の行動は現状では不可能。しばらく様子をみることとした。

それでもあたりが明るくなってくると、自然と気分が落ち着き安心感が生まれる。
太陽の力というものは偉大で、人間の本能に働きかけるのだろう。

さらに食事をするとやる気まで湧いてくる。現金な体である。

8:00くらいになると風が弱まるようになった。ただし、弱まると思うとまた激しく吹くという繰り返しだが、
少しずつ弱い時間が長くなってきた気がする。

最早、撤退することは決定していたので、あとはタイミングを計るだけである。
今日、停滞して回復が予想される明日行動するという手もあるが、予想が外れたとき代償が大きい。

やはり少しでも行動できるうちに少なくとも稜線から退避するべきであろう。
稜線から東側に下れば、まともに風を受けることもないだろうし、樹林帯に逃げ込める。

天候がやや回復に向かっていると判断し、出発することにした。

天幕を撤収しているときに「ゴォー」という音を聞く。
先ほどまでは雪崩の音と思っていたが、どうやら雷のようである。
雪山で雷鳴を聞くのは珍しい。

やや躊躇したが、天幕は撤収してしまったので、様子をみながら歩き出すこととした。

梅花皮岳への登りにかかる。

猛烈な吹雪ではないが風は強い、ガスに覆われており周囲はホワイトアウトしている。
地吹雪も合わさり、数メートル先を行く相棒の姿もかすんで、自分の足元さえ見えなくなるほどだ。

それでも登りは雪庇にさえ気を付ければ迷う不安はない。

梅花皮岳へ登りつくと、一度下り烏帽子岳へ登り返すが、雪に覆われた白い斜面が広がっていて天地もつかない。

コンパスと地形図、勘をたよりに足を進める。
時折、行く手が垣間見えるのでその瞬間、進むべき方向と地形を覚え込む。

烏帽子岳からは「くさいぐら尾根」を下降する。

夏季にその存在を確認していた私は明瞭な尾根が続いていることは知っていたし、
烏帽子岳までいけばその尾根に乗ることはさして難しくはないと思っていた。

しかし現場に立っているとその認識の甘さに気付かされた。

ピーク状の烏帽子岳北峰に立つと、360度真っ白な世界が広がっている。
どこまでが地面でどこからが空なのか区別がつかない。

コンパスで方向を確認するも、すぐそこが崖なのか尾根なのか分からないので、足を踏み出す勇気がもてない。
いや、そんなリスクは冒せない。ここでのミスは死に直結するからだ。

そんなこともあり、やや緩やかな斜面を選んで下降していく。

しばらく下り、方角を確認すると大分ずれていることに気付く。

修正するために斜面をトラバースするが、次第に急になる上、雪も深くなる。
稜線では吹き払われていた雪が風下側では大量に積もっているのである。

次第に急になる斜面を横切っていくと、30cmほどの雪崩の破断面が現れる。
破断面とは雪に亀裂が入り、そこから下が崩れ落ちたことを示すものだ。

つまり雪崩の起きた跡である。

きれいに残っていることから、まだ発生して時間がたっていないことが分かる。

緊張が走り、胸が高鳴る。

この場にとどまることは当然危険だが、その先のまだ雪崩れていない斜面を横切るのは非常に怖い。
ともかく一刻も早く尾根に乗ることだ。慎重に…。

おそるおそるトラバースを続けると足を踏み出した箇所から雪面にクラック(亀裂)が深々と走る。

一度心臓が止まるが、かろうじて雪崩れては行かないようだ。

この時ばかりは運を天に任せるしかなかった。

まったく視界がないので尾根を過ぎてしまったのでは?と不安になる。
とにかく進むと明瞭な尾根に出た。

ようやく下降路の「くさいぐら尾根」に乗ることができた。

尾根上は稜線から降りた風下側の尾根であるので風当りは弱いと踏んでいた。
しかしそんなことは一向になく、強烈な風雪にあおられる。

慎重に方角と地形を確認しながら高度を下げる。

この「くさいぐら尾根」は曲者であった。

すこしでも痩せている場所は吹き抜ける風が大きな雪庇を形成する。
風の弱いところは雪が吹き溜まり、猛烈なラッセルだ。
幅の広い斜面はいかにも雪崩れそうな角度で大量の雪が積もっている。
樹林帯に入ると腰までのラッセルに加えヒメコマツのヤブが立ちはだかり行く手を阻む。

これが、標高300mまで容赦なく続いているのである。

全く油断のならない尾根である。

ヘトヘトになって標高800m付近に幕営した。

画像の説明


つづく・・・


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2011/1/13 (木)

SNOW PARADISE EPISODE.6  (厳冬期飯豊連峰縦走記)

23:30。天幕の圧迫を感じて目覚めると、またもや雪に押しつぶされようとしている。

意を決して吹雪の中、除雪する。

風が強く雪を巻き上げ、顔に雪がまとわりつき、肌に着いた瞬間溶けて顔を濡らす。
顔面が凍りつきそうで目も開けられない状態で必死に雪をかく。

翌2:00。再び目を覚ますと、先ほどとまったく同じ状況。仕方なくまた除雪する。

この時、またもや悲劇が起きた!

雪の重みでたわんだ天幕に乗る形で除雪したため、下部の生地が20cmほど裂けてしまったのである…。

裂けた部分から雪が吹き込んでくるので、二人で必死におさえる。
条件が悪く、装備も限られているので補修も不可能。とにかく手で押さえる。
もっとも原始的な方法しかない。

しかもこの天幕は今回のために新調したものでショックは倍増である。

しかしながら二時間おきの除雪ではたまったものではない。
どうやら天幕を設営した位置に問題があったようだ。

風を避けるために小屋の陰に張ったのだが、窪地状のため雪がどんどん吹きだまるのである。
むしろ風があたる場所の方が、雪が吹き払われてたまりにくいのだ。

除雪の度に雪まみれになり、中に入るときにどんなに雪を払っても、雪は侵入してしまう。
したがってどんどん寝袋やマットは濡れてしまう。

これではたまらないので、決死の覚悟で天幕の位置を移動する。

下手をすると天幕が吹き飛ばされてしまいそうな強風の中、拷問のような土木作業を強いられる。

移動を終えると雪につぶされる心配はなくなったようだった。
しかし天幕が破けたことで今後の縦走の不安要素がまた一つ増えてしまった。

夜が明けても、吹雪は一向に収まる気配はなく。しばらく様子を見ることとする。

寝袋に入り、じっと外の風の音を聞く。風は吹き荒れ天幕を揺らす。
時折、雪崩ともつかない響きがこだましている。

漫然と寝入るでもなく、ただ朝を待っていた…。


この時、二人は完全縦走をあきらめたのである。


要因はさまざまだが、天候の見込みのあまりの悪さ、避難小屋の不安、最後の砦である天幕が裂けているなどが挙げられる。

今振り返ってみれば、あきらめるのは早かったかもしれない。
だが、当時の我々たちは想像以上に切羽詰った状況に追い詰められている心境であった。

こうして目標を「完全縦走」から「悪天に捕まり閉じ込められる前に退避する」に変更したのである。

だが退避が容易でないのが冬の飯豊連峰である。

「行きはよいよい帰りは怖い…」。

そしてこの後、それをまざまざと実感することになるのである。


つづく・・・


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2011/1/12 (水)

SNOW PARADISE EPISODE.5 (厳冬期飯豊連峰縦走記)

快調に距離を稼いで北俣岳へと到着する。

大展望が開け、目指す飯豊本山や昨秋に縦走した朝日連峰、凍った木道にてこずった吾妻連峰など
思い出深い山々も望め感慨もひとしおである。

昨日までは北股岳までいつになったらたどり着けるのか見当もつかなかったのに、
こうして立っているのが不思議な感覚である。

もっとも風が強く余韻に浸っている余裕はない。

厳冬期の北股岳山頂に立つ

梅花皮小屋までは下る一方で山頂からものの15分ほどで到着した。


一階部分は半分ほど雪に埋まっている。
豪雪の山の避難小屋では二階にも入口が設けられていて、冬季はそこから出入りするのだ。

相棒が梯子を登って、二階の入り口を開けようとする…。

「開かない!?」

私が交代してみても全く開く気配はない。

どうやらしっかりと鍵がかかっているようだ。

ならばと一階の入り口を確認する。
よく見るとドアがわずかに開いている。

埋まっている部分の雪を排除し、思い切り押してみる…。

「開かない!?」

よく見るとわずかに開いている隙間から雪が大量に吹き込んでいる。
そしてその雪の塊ががっちりとドアを押さえつけている。

しかも融解と凍結を繰り返しているのか、ほとんど氷の塊である。

その後、我々は1時間半ほどない知恵を振り絞り、疲れ切った体の持てる力を尽くし、
ドアを開けるために苦闘したが、その甲斐はなく、我々の避難小屋パラダイス計画は脆くも崩れ去ったのである。

やむなく小屋の陰に天幕を張る。

今できる最善のことをやるしかない。
もっともできるのは悪態をつくことぐらいであるが。

いつものように天気予報を確認する。

明日は低気圧が通過し雪。明後日はいったん冬型がゆるむ。その後は年末から正月にかけて、猛烈な冬型となる。

今日のことでこの先の避難小屋が本当に使えるのか不安になってきた。

計画では稜線途中で撤退する場合に使用できるのは「丸森尾根」、「梶川尾根」、そして烏帽子岳から派生する「くさいぐら尾根」である。
そして烏帽子岳を越えたら完全縦走するしかない。

つまり烏帽子岳が行くか撤退するかの最終分岐点なのである。

われわれは判断に迷った。

今日くらいの稜線の状況なら、縦走は可能である。しかし、途中で強い冬型に捕まったら大停滞に追い込まれるだろう。
そうしたら正月明けの仕事に差し支えるかもしれない。
しかし縦走も完遂したい…。

登山体系の「停滞すればするほど危険度は増す…」という一節が脳裏に浮かぶ。


つづく・・・


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2011/1/11 (火)

SNOW PARADISE EPISODE.4  (厳冬期飯豊連峰縦走記)

「冬の飯豊連峰は日本海の水分をたっぷりと含んだ湿雪が、しんしんと降り続いて、一夜に2mに達することがある。

重い雪は天幕をつぶし、一日中雪に溺れるようにあがいて歩いても、せいぜい3㎞、
晴れ間にふり返ってみれば声の届く範囲がやっとであるという事態にもぶつかる。

正月登山などはこのため、行きはよいよい帰りは怖いとなり、沿線の列車はストップ、
アプローチは現地の人も通わぬ雪原と化す。

一月の晴れ間などは十五日に一回とも言われ、大停滞を余儀なくされる。
そして停滞すればするほど危険度はますというやっかいな山が厳冬期の飯豊連峰である。

それでもなおスポーツ登山の域を超えた重労働の世界、冬の飯豊連峰に入山するならば、
自分たちのパーティーだけが山とともにあるという実感を満喫できる、充実した世界が広がっているといえよう。」


以上”日本登山体系”から厳冬期飯豊連峰についての抜粋である。

ひたすら登る…

3日目6:15出発。

今日も相変わらず雪が降り続いている。
入山してから一度もやむ気配を見せない。

枯木ノ峰に差し掛かると、新潟山岳会のデポが大量に木にくくりつけてある。
正月にかけて入山する予定があるのだろう。あるいはあまりの予報の悪さに入山を控えたかもしれない。

一歩一歩高度を上げていく。

やがてブナからダケカンバが目立つようになる。
早朝から本降りの雪であったが、徐々に小止みになり、時折薄日が差すようになってきた。
樹林が途切れるころになると周りの山が見えだした。

入山以来、初めての展望が開ける。

青空も見え始め、今までの鬱屈とした気分からようやく解放される。
空模様一つでこうもやる気がみなぎるのも不思議なものである。

しかしながら、純粋に美しい雪山の景色をみるのは感動的である。
そして、我々のほかに誰もいない山にいるという実感をあらためてかみしめる。

徐々に視界が開け始める…

そしてもう一つ、我々の気持ちを盛り上げることがある。

それは今日は避難小屋に入れるということである。

ペース次第であるが、順調なら門内小屋、最悪でも頼母木小屋までたどりつけるはずだ。

小屋に入れば、夜中の雪かきもないし、テントの狭さも解消される。
濡れた衣服やシュラフを思う存分乾かせるだろう。

雪面は次第にクラストしはじめ、くるぶしくらいまでしか沈まなくなっている。
おのずとペースが上がり、稜線はぐんぐん近づいてくる。

しかし、樹林がなくなると真っ白な雪に覆われた尾根は遠近感が狂ってくる。

あと5分くらいと目算していたピークがなかなか近づかない。
逆に歩けば歩くほど遠のいていく錯覚を覚える。

それでも気力を振り絞り、頼母木山のピークに立った!

と喜んだのもつかの間、目の前にさらに高いピークが現れ、それが本当の頼母木山であることを認識する。

山ではよくあることだが、気力で歩いてきたため疲労感は数倍する。

なおも死力を尽くして頼母木山の山頂に立つ。
すると日本海からまともに吹き上げてくる烈風が歓迎してくれた。

山頂標識には今まで見たことのない、1mの長さもあるであろうエビの尻尾がついていて稜線の厳しさを物語っている。

もはやエビの尻尾とよんでいいものか…?

稜線は烈風のおかげかガチガチにクラストしており、もはやワカンは必要ない。

アイゼンに履き替えて進む。

風が強く、ひと時も休むことはできないが、ラッセルがなければこっちのもの、ガンガン距離を稼ぐ。

いつのまにか空は晴れ渡り、はるか遠くの山並みがくっきりと見える。

白く輝く、粟ヶ岳、越後三山、燧ヶ岳,日光連山が素晴らしい。
眼下には日本海の海岸線が弧を描いている。

眺望は抜群

しかし、今度はシャリバテで足が重い。なにせ風のせいで行動食をとれる状況ではない。

フラフラになりながらも門内小屋へたどり着く。

時刻は13:30。
予想よりもはるかに順調である。

ここは梅花皮小屋まで足を延ばしてておくべきであろう。

食料を補給して再出発。風は強いが、天気は良い。
今までの鬱憤を晴らすように距離を稼げるのが心地よい。

我々はいけいけ状態にあった!

 
この後待ち受ける惨事も知らずに…。


つづく・・・


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2011/1/10 (月)

SNOW PARADISE EPISODE.3  (厳冬期飯豊連峰縦走記)

目の前の雪の壁を両手で崩す、膝でそこに窪みをつける、足で2、3度踏み固める。
そこに立ち上がる。

目の前の雪の壁を両手で崩す、膝でそこに窪みをつける、足で2、3度踏み固める。
そこに立ち上がる。

目の前の雪の壁を両手で崩す、膝でそこに窪みをつける、足で2、3度踏み固める。
そこに立ち上がる・・・。

何度繰り返しただろうか?

自分の進んだ距離を確かめると、うんざりするほどわずかである。

重荷を背負ってラッセルするのはあまりに体力を消耗するので、次のように進む。

トップは空身で進路を切り開く、セカンドはそのあとを荷物を背負って追いかける。
しばらく登ったら、トップは自分の荷物を取りに引き返す。
セカンドは代わりに空身になり、トップを交代する。

そんなことを延々と繰り返しながら、じわりじわりと高度を稼いでいく。

標高200mを登るのに実に3時間以上を費やしている。

登山口の長者原の標高は300m。気温は0度前後である。

重く湿った雪から踏み込んだ脚を抜くのは容易ではない。
降りしきる雪は体に着くと水滴と変わり、衣服をぬらす。あるいは団子となってまとわりつく。

ザックを取りに帰るとすでに1cmほど雪が積もっていて、危うく見失いそうになる。わずか10分や15分の間にである。

入山初日は5時間ラッセルして、標高700m地点に幕営した。


全てを雪が覆い隠してしまう

2日目6:30出発。

昨夜の雪でさらに雪は深くなっていて早くも心が折れそうになる。

相棒が「長者原からお前の実家(山形県新庄市)までどれくらい?」と聞いてくる。

さりげない問いかけだが、「今から下山すれば今晩は暖かい布団で寝られる」という思惑がありありと伝わってくる。

チョコバーをかじり気を紛らわせて、何とか立ち上がり歩を進める。


6時間かけて1023mの西俣ノ峰へと達する。

ここからは風が吹き抜けるせいか、やや歩き易くなりペースが上がる。
といっても相変わらずトップは空身でラッセルし、道をつくっていく。

枯木ノ峰の手前で本日の行動は終了(15:00)。


つづく・・・


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2011/1/9 (日)

SNOW PARADISE EPSODE.2 (厳冬期飯豊連峰縦走記)

2010年12月25日夜。

クリスマスで賑わう東京の街を我々は出発した。

ニュースでは数日前からの寒波の影響による、日本海側での大雪の情報を絶えず伝えている。
鳥取のスキー場では雪崩で3人の犠牲者が出た。

さらに、年末には強い冬型の気圧配置となり、大荒れの予報が出ている。

我々が走る東北道も福島県に入ると一面の銀世界となり、次第に風雪が強くなっていった…。
ついに高速道路は郡山の付近から雪のため通行止めとなり、一般道での迂回を余儀なくされる。

そんなこともあってか、二人の会話も弾むということはなく、これからの長い山行への不安が募るばかりであった。


栗子峠を越えて米沢に入ると、まさしくそこは雪が支配する土地であった。

しかしその為、除雪など慣れたもので道路には大きな混乱はないようだ。
夜を徹しての除雪作業が続けられていて、関東ではお目にかかれない大型のロータリー車やモータグレーダ、ホイルローダなど
いかめしい名前の除雪車が活躍している。

田んぼの中の吹きさらしの道路は巻き上げられた雪によってホワイトアウトし、道路の境目もおぼつかない。

ロータリー車が疾駆する

道の駅で仮眠をして登山口の長者原へ向かう。

ここまでくるともはや逃げ場はなく、次第に気持ちが山へ向かっていく…。
なるようにしかならないし、駄目そうなら引き返せばよい。

そう言い聞かせながら、登山口へ向かった。

でも心のどこかでは完全縦走への野心を捨てきれないのも事実である。


我々の計画は、長者原から入山し頼母木山から北西へ延びる尾根の支稜へ取りつく、
西俣ノ峰、枯木ノ峰と経由し頼母木山で主稜線へと出て、北股岳、飯豊本山、三国山と縦走し、
福島県側の川入へと下山するというものである。

予備日を含め、10泊11日。食料、燃料は2週間分を用意した。

インターネットなどで記録を探してみても、数十年前の記録がわずかに確認されるのみ、
近年のものは残雪期ばかりで厳冬期のものは見つけることができなかった。

その形も山岳会の総力を挙げて取り組んだもので、夏の間に食料や燃料をデポし、10名近いパーティーでサポート体制も整えている。
もちろん装備の整った現在の登山と簡単に比較できるものではないが…。

たった二人だけの我々はどこまで厳冬期の飯豊に通用するのだろうか?

最近は目も向けられない、いわば地味な課題ではあるが、挑戦する価値はないとはいえないだろう。

そして、自分自身を試すには絶好といえるに違いない。

   (つづく…)


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2011/1/8 (土)

SMOW PARADISE EPISODE.1 (厳冬期飯豊連峰縦走記)

静かな夜だった…。

いつも寒さに目が覚める雪山の天幕が今日はやけに暖かい。
おかげで朝までぐっすりと眠ることができた。

この分だと今日は天気も良く快適に高度を稼げるかもしれない。
そんな期待を持ちながら目覚まし時計を止めた後、しばらくまどろんでいた。

ふと昨夜と違う違和感を覚えた…。

やけにテントの中が狭いような気がする。

いや、確かに狭い。

内側に大きくたわんでいる。

手で押してみるとずっしりとした重みを感じ、すぐに押し返される。
あわてて天幕から顔を出そうとするも、入口も強く押さえつけられていた。

力を込めて押し返し何とか入口を開けると、どっと雪が崩れ落ちてきた。
這うように天幕を出ると、股のあたりまでもぐってしまう。
近くにさしておいたスコップも雪に埋もれ、探すのに一苦労である。

天幕は三分の二ほど埋まり、降り積もる雪は我々を完全にその下に沈めようとしていた。

静かで暖かいと感じていたのは厚い雪に覆われていたせいであった。

標高は約700m。

八ヶ岳などのパウダースノーなど比較にならない、
重く湿った雪が目に見えるほどの速度で降り積もっていく。

一晩で約40cmほどの積雪があった。

ここは豪雪で名高い飯豊連峰である。


  (つづく…)


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2011/1/6 (木)

お雑煮山行! 棚山とほったらかし温泉♨

毎年恒例のお雑煮山行へ今年も行ってきました!

今年で早や4年目となります。

山頂で食べるお雑煮はやっぱり格別ですね~。

場所は「棚山」です。

といってもどこかわかる方は皆無でしょう。
有名な「ほったらかし温泉」の背後にある山といえば分るでしょうか?

ほったらかし温泉駐車場から望む棚山
左が「前こぶ」と呼ばれるピーク。右が山頂です。

スタートは「ほったらかし温泉」駐車場。

標識に従って林道を進みますが、序盤は標識のないところもあり初見だと少し不安になるかもしれません。
大体、勘に従っていけば問題ないかと思いますが…。

山道に入るとピンクテープが目印になり迷うことはないでしょう。

奇岩・重ね石
この辺の山域は巨岩・奇岩が多くボルダラーの興味を惹きますが、
アプローチがやや遠いので開拓されることはないでしょう。

コナラの落葉の道を登って行きます。だんたんと大岩が目立つようになります。

「前こぶ」を越え、ひと登りでなだらかな山頂に達します。

棚山山頂

山頂からは西側と東側に切り開きがあり、展望はなかなかのもの。
南アルプスの山並みを正面にのぞみます。反対側は大菩薩・小金沢連嶺。

山頂ではお雑煮を食し、今年の安全登山を祈願します。

「今年一年、体力がもちますように!」。

帰路は「山の神」コースを下りますが、結構急で足元が崩れやすく、初心者向きではありません。
ところどころトラロープが張ってあります。

一か所尾根伝いに進んでしまいそうになる個所があるので、要注意です
分岐から下り始めて、5分くらいで直角に右にまがります。ピンクテープをよく探しましょう。

やがて急なところは終わり、落ち葉の深い歩き易い尾根をたどるようになると、往路にたどった道と合流します。

澄んだ青空に南アルプスの銀嶺が輝いていました。

果たしてお雑煮はおいしかったでしょうか?


下山後はゆっくりと「ほったらかし温泉」で癒されました。
いつ来てもいいところですね~。名物「温玉あげ」が美味です!


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2011/1/4 (火)

柴崎ロック

昨夜、アイスクライミング装備を背に家を出ましたが、
めぼしい氷がないということで、急遽フリークライミングへ。

場所は「柴崎ロック」

一応「日本100岩場」という本にも載っている場所です。

今回二人とも初めて訪れるということで、まずアプローチが核心。

林道を進みマッターホルン状の岩が目印とのこと。

しかし、いくら進んでもマッターホルンは現れず。
反対側の集落まで山を越えてしまった…。

引き返してよくよく見ると50cmほどの可愛いマッターホルンが!

「マッターホルン状!」などといわれると、10m以上の岩を想像していた…。
少なくても見上げるくらいの!

実際は可愛いミニチュアマッターホルンでした…。

トポにある林道の図も違ってました…(林道は舗装、延長されていた)。
改訂版が出たばかりなのでこの辺も改訂していただけると助かるのだが…。

柴崎ロック

柴崎ロックはコンパクトな岩場です。

高さは7m~15mくらい。グレードは5.8~12bくらいと初級者向けの岩場です。

しかし、一部癖のあるルートもありますので要注意!

簡単なのから片っ端から登って行きました。

今日の成果は5.11cのフラッシングとまずまずだったでしょうか?

たまに初めての岩場に来るのも楽しいですね。


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2011/1/1 (土)

謹賀新年!

明けましておめでとうございます!

無事に飯豊から下山いたしました。

結果は完全縦走はならず。

でも北股岳は行けました!

詳細は後ほど報告したいと思います。

皆さん今年もよろしくお願いします!


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