山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

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2011/8/28 (日)

北鎌尾根

多くの登山者の憧れの的、北鎌尾根をガイドしてきました。

北鎌尾根は北アルプスを代表するバリエーションルートです。

厳しい登攀はありませんが、幕営技術や長い行程をこなす体力。
ルートを判断する目、天候を読む力など登山のすべての要素が凝縮されたルートです。

最終目的地は槍ヶ岳山頂というこれ以上ない最高のフィナーレを飾ってくれます。

もちろん、体力や技術が備わっていても天候が安定していなければなりませんので運や何度も挑戦する気力なども必要かもしれません。

いいお天気
天を突く槍ヶ岳の北に伸びる稜線は多くの岩峰を連ねて千天の出合へと稜を落としています。

昨年、上高地から水俣乗越を越え北鎌沢出合を目指しましたが、日本海にあった台風が突然進路を南に変えたため
槍沢ロッジにて敗退となりました。

今年は同じ道を歩くのはうんざりということで合戦尾根から登って貧乏沢を下り北鎌沢出合を目指しました。

荘厳な夜明け
燕山荘での荘厳な夜明け。

天候が安定してくれるのを祈るばかり…。
小屋の情報では明日、明後日は傘マークがついている…。

でも天気図を見る限り悪くはなさそう。むしろ高気圧の圏内である。

私の経験による天候判断とあきらめの悪さにより、とにかく行けるところまで行こうと貧乏沢を下りました。

道の悪い貧乏沢、水俣乗越から下ったほうが快適ですね~。


北鎌沢出合付近にてビバーク。

薪が湿っていて火つけに苦労するも無事着火!

これがないと楽しみも半減。

夜は満点の星空。期待が膨らみます。


2時に起床して2時50分に出発しました。

暗い中、北鎌沢を登ります。

北鎌の最初の試練。近くて遠いは北鎌のコル。なかなか近づきません!

青空最高!
コルへと這い上がり少し行くと展望が開け正面には独標が立ちはだかります。

独標のコルからは以前巻き道を行ったので、今回は当然直登ルート。

ハーケンの打ってある正面のフェースを直登するも登山靴にはそこそこ悪い。

登りきると裏にフィックスロープの下がるルンゼ状の巻き道を発見。
お客さんにはそちらを登ってもらう。

最初の一歩が高いので苦労していたが、ロープをピンピンに張ってあげてアシスト。
独標から先も沢山ピークを越えていく。

基本的には稜線通し。時折、千丈沢側を巻く。

穂先は目前
北鎌平を過ぎると穂先は目前に迫ってくる。


最後のチムニーを越えて槍ヶ岳山頂へ16:00到着…遅い!?

ヒュッテ大槍まで行って本日の行動は終了。

北鎌尾根

    

北鎌尾根

ヒュッテ大槍から望む北鎌尾根。
朝日に照らされかっこいい!!

笠ヶ岳
槍から見る笠ヶ岳は美しい。今日は最高の天気です。

今日は槍の肩を越えて千丈沢乗越より中崎尾根を奥丸山へ、奥丸山からわさび平を経由して新穂高へ下ります。

中崎尾根途中から槍ヶ岳方面
中崎尾根途中から槍ヶ岳方面を見上げます。

どれが槍?

奥丸山にて滝谷やキレットの展望を満喫しました。

ここは最高の展望台ですが、訪れる人はまれな不遇のピーク。


わさび平へ下降してソーメンをいただく。

誰かさんが槍からの最短下降路とか言っていたが結構長かった…。


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2011/8/25 (木)

とうもろこし

お世話になっている清里のペンション・まんてん星より獲れたてのトウモロコシがとどきました!!

甘くておいしかった!

新鮮なものは生でも食べられるそうです。

焼いたり茹でたりして食べまくりたいと思います!


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2011/8/23 (火)

食卓

暇な甲斐もあってテーブルが完成しました。

真ん中の隙間はわざとですよ!!

脚は加工済みのものを使用しましたが、天板のサイズに合わない為、
貫(ぬき・脚と脚をつないでいる木)を短くしてほぞを新たに切って、穴も掘り直しました。

久しぶりに鋸や鑿(のみ)、玄能(金槌のこと)を振るいました!


仕上げはオイルフィニッシュ。

一般的なワックスなどで塗装すると表面に塗膜ができ、傷や汚れから表面を守ってくれる反面、木材が呼吸できなくなってしまいます。

一方、天然油脂を使ったオイルフィニッシュではオイルが木の内部に浸透するので木材が呼吸できます。

よって何十年も長持ちします。

さらに表面に膜がないので木本来の質感を味わうことができるのです。

今回はワトコオイルを使用しました。


やっぱり木の家具はいいですね。

ところで椅子がありません!!


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2011/8/18 (木)

木工

活発な秋雨前線の影響で、少々暇を持て余しています。

引っ越しをして以来、我が家にはきちんとしたテーブルがなかったので、この時間を利用してテーブルを作成しています。

画像の説明

これはタモの一枚板! …と言いたいところですが、集成材です。

集成材とはいくつかの板を張り合わせて一枚の板のようにしたものです。

完全な無垢の一枚板だと数十万円するので却下です。

集成材でも単に木目が繋がっていないだけで、手触りや質感は無垢と全く同じなので、気にしなければ何の問題もありません。

どんなのができるかご期待ください。


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2011/8/15 (月)

大常木谷~竜喰谷

奥秩父の大常木谷を遡行し、竜喰谷を下降してきました。

二つの沢は一ノ瀬川の支流のひとつで一ノ瀬川は多摩川の支流です。
山としては飛龍山と唐松尾山の間から流れています。


大常木谷は美しい沢です。

ナメや深い釜をもった滝、そしてゴルジュが延々と続いています。

神々しい光
暗いゴルジュの空からはまぶしい光がこぼれています。
沢には涼しい風が流れていて心地よく感じられます。

涼しい!
東京の暑さをよそに「もっと暑ければ、ガンガン泳ぐのに…」といったところ。
贅沢な悩みであります。

千苦の滝
ゴルジュの奥には千苦の滝が豪快に水を落としていました。
上から降り注ぐ陽光が放射状にひろがり、神々しいまでに輝いています。

大常木林道が沢を横切るところで竜喰谷へ移ります。

大常木林道は古い仕事道でところどころ崩壊がすすんでいますが、歩くのには支障がありません。

竜喰谷の本流の手前の苔むした谷から下りました。


竜喰谷は美しく豪快な滝とナメ床に覆われた沢で、初級者に人気があります。

この二つの沢をつなぐ遡下行は非常におすすめのコースです。

沢登りというのは沢が終わってからの下降が何となく味気ないものですが、このコース取りだと飽きることがありません。
途中の登山道も1時間弱の道のりです。
車道に帰ってからも20分ほどで車に戻ることができます。

行程としても大常木谷が4時間、登山道1時間、竜喰谷下降3時間と計8時間で一日を満喫できます。


暑い夏のさなか充実した一日となりました。

やっぱり夏は沢に限ります!!


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2011/8/14 (日)

開放骨折

今日、クライミングジムへいって準備体操をしていると「バーン」という音がしてた。
何か大きなものでも落ちたのかなと思っていると、人がうずくまっている。

どうやらケガ人が出たようだ。

ボルダ―エリアのスラブ壁の最上部より足が滑って下のマットの隙間に足が挟まってしまった。


通常なら、捻挫か単純な骨折といったところだが、今回のケースは解放骨折。

開放骨折とは折れた骨が皮膚を突き破っている状態の骨折のことをいい感染の危険性がある。
なにしろ骨がむき出しになっているので細菌感染しやすいのである。


残念ながら私が近くに行ったときにはタオルで患部を抑えている状態だった。
せめて滅菌ガーゼで…と思ったが後の祭りであった。

周りの人々はおろおろするばかりで何もする様子がないので、私がいろいろ指示を出した。

WFA(ウィルダネスファーストエイド)においても開放性骨折の処置を学ぶ。
しかしこの場合はウィルダネス(野外)とは言えないので、積極的な処置は求められない。

必要な対応は救急車を呼ぶことはもちろん、この場合ショック症状への対処が必要である。

楽な姿勢にし(寝かせ)、足を拳上する。体を保温して、顔色、呼吸、発汗などに変化がないか常にチェックする。

あとは救急車が来るのを待つ。

それまでの間に傷病者のメンタルのケアをすることは非常に重要である。

余計な不安を取り除き、勇気づける。常に声をかけ続けて安心させることが大事である。意外とおろそかになっていしまうことである。
周りにいる人間はあわてず落ちついて対処する。周りの人の動揺はすぐに伝わってしまうので…。


今回のような事故に遭遇することは山の中においてもありうることだ。

その時は救急車はすぐには来てくれないので、自分たちで応急処置をしなければならない。

救急隊が駆け付けた後の処置を観察していたら、WFAで習ったことをそのまま実践していた。

こういう時に適切な対処ができるかどうかは、常にファーストエイドについて学んでおかなければならないだろう。

私も昨年秋、今年の春と半年で2度講習を受けているが、完全に落ち着いて最適な処置がすぐにとれたわけではなかった。

さらなる努力が必要なようである。


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2011/8/11 (木)

双六より

双六岳から三俣蓮華岳への周遊コースを歩いてきました。

このコースは昨年実施して好評だったため今年も行いました。

天気も安定しており、のんびりムードで双六山楽共和国を満喫してきました。

のんびりムード


双六小屋の若旦那の小池岳彦さんといろいろお話しする機会がありました。
最近の北アルプスでの傾向という話になり…。

                        ①若者、とくに学生が増えた
                        ②でも学生は結構軟弱になっている
                        ③テント泊が増えた
                        ④女性単独行が増えた
                        ⑤子供が増えた
                        ⑥双六周辺のライチョウ・オコジョ・ホシガラス・ネズミが減った

                                                       などが挙がりました。

①は昨今の山ブームが影響しているのでしょう。

「岳」や「孤高の人」などの漫画のヒットも要因の一つではないでしょうか?

高校生が以前の3倍以上の数になっている感じがします。


②は今の世の中の流れを反映しているといえます。

ゆとり世代で昔のような上下関係の厳しさ、規律などはなくみんな仲良く和気あいあいといった感じです。
例を挙げるとテント泊だけど山小屋の食事を頼む。悪天だとすぐに山小屋に逃げ込んでくるといった具合です。

私の学生時代は山小屋に近づくことすら許されない風潮さえありました。

テント泊は寝場所も食事もすべて自分で賄うというのが、達成感や充実感を与えてくれそれが魅力だと思うのですが…。


③は①の要因で若者が増えたということが大きいでしょう。
テントなど装備の軽量化が進んだということもあります。

「岳」の「三歩」の生活に憧れがあるという可能性も高いです。


④は当然、山ガールブームが下地にあります。

北アルプスは山小屋が多く、歩いている人も多いので安心ということもあるでしょう。
これが人気のない南アルプス深南部ともなれば出会う確率は皆無です。

文太郎の影響を受けた可能性は低いでしょう。


⑤は当たり前ですが、子供を連れてくる親が増えたということです。

子供に山登りをさせることは自立心を養う上で良いと言われていますし、感性も豊かになるでしょう。
その後山が好きになるかどうかは別問題ですが、好きになる下地は作れるでしょう。

親の過度な期待は報われないことが多々あります。
「子供のころは大好きだったのにね~」なんてよくある話です。


⑥は地震の影響かもしくは温暖化の影響でしょうか。

そういえば昨年、毎日のように見ていたホシガラスが今年は鳴き声を一度聴いたきりで、まったく見ません。

何が起きているのでしょうか?彼らがいなくなるのはさみしい限りです。


帰ってこ~い


まとめると、山が好きな若者が増えた。そして、様々な人が様々なスタイルで山をたのしんでいるといえるでしょう。

単なる一過性のブームではなく文化として定着するといいのですが…。

ガイドとしてはマナーやスタイル(登り方)で見本を見せ登山界全体を良い方向へ導くというのが一つの役割かもしれませんね。


今回は石田登山塾日誌風に分析してみました。

http://ishidatozanjukunisshi.blogspot.com/


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2011/8/7 (日)

雷鳥のダンス

野口五郎岳山頂でのこと。

ガスの向こうから何やら黒い物体が近づいてくる…。

よく見るとメスのライチョウであった。

近くに来ると辺りの地面をつつき始めた。
どうやら柔らかさを調べているらしい…。

いちばん柔らかそうなところを見つけると…。

砂浴びを始めた!!

気持ちい~い!

全身の羽を逆立たせて何とも気持ちよさそうに!

5分ほど砂浴びを間近で見学させていただいた。

あまり入浴をのぞき見するのも悪いので、静かに立ち去った。


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2011/8/6 (土)

黒部五郎~野口五郎

北アルプスの黒部五郎岳と野口五郎岳、二つの五郎をつなぐ縦走をしてきました。

折立から入山し太郎平小屋・黒部五郎小屋・水晶小屋・野口五郎小屋・烏帽子小屋と贅沢に各駅停車で巡ってきました。

黒部五郎~野口五郎
北ノ又岳は北アルプスで一番穏やかな山容。
太郎平からはお花畑の続く素晴らしい稜線(最後に黒部五郎の登りが待ってますが…)。

大きく深呼吸
先週までの雨続きの空から久しぶりに青空を望みました。

ハクサンイチゲ
特に頂上手前のハクサンイチゲのお花畑は素晴らしい。
まさに北アルプス西銀座ダイアモンドコース。

黒部五郎カール
黒部五郎はカールが素晴らしい。楽園のようなところ。
いつ来ても癒されます。

水晶岳
水晶岳ではこれまで歩いてきた道のりをすべて見ることができました。
水晶小屋は小さいながらも快適な小屋。
ご主人のお子様(2歳半)も去年から常駐しています。

お花畑
水晶小屋の周りは素晴らしいお花畑がたくさんあります。

ハクサンフウロ
ハクサンフウロが斜面を覆っていました。

コマクサ
野口五郎岳から烏帽子小屋へ向かう途中にはコマクサがたくさんあります。
これからもっと増えていくといいですね。

雲海
5日目の朝。
ようやく夏山らしい快晴の空。
2週間ぶりにすっきりと晴れ渡りました。
どの小屋もヘリでの荷揚げができず、食糧難に陥っていたようです。


今回の縦走は天気に恵まれました!
先週の雨続きとは打って変わって快晴…とはいきませんが、そこそこ青空も見え、
たいした雨にも降られず涼しい毎日。

各山小屋ともに暖かいもてなしでくつろげました!
ちょっと天ぷらが多かった気もしますが(天ぷらブーム?)。

頑張ったみなさんに拍手を送りたいと思います。
来年はもっとトレーニングして楽に歩けるといいですね~。


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2011/8/3 (水)

真っ直ぐな発言

妻の のっぽです。
夏はロングツアーが多いので、主人の帰宅は週に1回程度。
ブログに私の出番が増えますが…、お付き合いください。

主人は結構はっきりと不満を言ってくれます。

■今まででショッキングだった発言 BEST3■

 ① 私の作ったおにぎりに対して 「今までの人生でいちばんマズイおにぎりだった」

 ② 誕生日プレゼントの服に対して 「こういうの着ないから返品してきて」

 ③ 手作りのスコーンに対して 「パンの出来損ないをスコーンって言うの?」

① と ③ については私のお料理技術が未熟だから仕方ないのですが、やはり言われた瞬間は カチン!と来ますよね。
でもそのおかげで「次はおいしく作るぞ!」「いつか美味しいって言わせてやる!」という気持ちが湧いてすごく頑張るので、
私にとってとてもプラスになっています。ありがとう。

② は山用品店の店長さんと相談して、山でも街でも着られるおしゃれなジャケットをプレゼントしたのですが…、
お気に召さなかったみたい。
「俺あんまり街に行かないから。山で着られるものがいい」とのことでした。

もらったプレゼントに対してこんなこと言う人いるんだ…、と衝撃を受けましたが、
こういう真っ直ぐな生き方はかっこいいな、とちょっとうらやましくなりました。
(ちなみに、返品して買い直した山用のベストは喜んで着てくれています)

こういうハッキリとした発言、なかなかできることではありません。
相手を傷つけてしまうかもしれないという心配と気遣いで
たいていの人は角の立たない反応、または本心を隠した いい人的 な反応をすると思います。

でも自分に嘘のない真っ直ぐな言葉は、ときに相手の向上心を高めたり
新しい生き方を提示できたりするんだなと思いました。

いつも寝る前に主人の脚や腰や背中をマッサージします。
マッサージが終わるといつも 「あんがとよ」 と言って彼は眠りにつきます。
私だって眠いのに。眠いのをこらえてマッサージしてるのに 「あんがとよ」 ってなんだよ…。
その言葉が気にくわなくて、あるときから何となくムカムカしていました。

そうだ、ここは真っ直ぐな発言だ と思って、あるとき
「一生懸命マッサージしてるのに あんがとよ って何?もうちょっと感謝してくれてもいいんじゃない?」 と言ったら
『えっ!? あんがとよ は ありがとう の最上級だよ』 とのこと。

なーんだ。彼の中での最上級の感謝の言葉をかけてくれていたんだね。
もっと喜んでよかったんだ。
ムカムカしてた自分がバカみたい。すごくすっきりしました。

勇気は要りますが、真っ直ぐな発言、してみましょう。
意外とハッピーエンドになることが多いですよ。


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