山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

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2013/5/17 (金)

毛勝三山縦走

毛勝三山は名峰・剱岳の北方稜線に連なる山々である。

剱や立山といった高峰に比べると標高は2400m台と一歩譲る。

しかし、その山容は一級でそこからの展望は比類ない。

登山道は最近開拓されたが、雪の締まった五月に雪渓を利用して登るのが、
もっとも合理的なラインであろう。

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登山口の片貝山荘を後にして、阿部木谷を詰める。

徐々に、雪が増え始めアイゼンをはく。

大明神沢を分けるといよいよ急峻な毛勝谷の登りが始まる。

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陽光が谷全体に満ち溢れ、降り注ぐ強い日差しが肌を焼く。

冷蔵庫ほどのデブリがそこかしこに、転がっている。

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いっそう傾斜の増した毛勝谷を登ると、背後に僧ヶ岳が美しい。

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僧ヶ岳から駒ヶ岳の稜線。

この時期ならではの美しい姿。

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稜線に出ると、後立山連峰と剱岳の姿が目の前に現れた。

毛勝山の山頂を往復し、釜谷山へたどり着くと石仏が静かに佇んでいた。

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振り返ると何処までも雲海が広がっていて、高い山だけがそこから頭を出している。

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猫又山は剱岳を真正面に見ることができるテントを張るには絶好のロケーション。

風もなく寒くも暑くもなくてこころゆくまでくつろぐことができた。

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いつまで見ていても飽きない光景。

これこそ重いテントを担いできた甲斐があるというものだ。

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一刻一刻、その色と表情を変えていく空と、それを映す雲海に見とれる。

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太陽が次第に落ちていき、富山湾へと沈んでいく。

ゆったりとした時の流れの中に、大きな充足感を感じる。

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翌日、猫又山からブナクラ峠へとたどって、ブナクラ谷を降りる。

高度を下げると、雪の世界から一気に色彩があふれる世界へと変化する。

新緑の緑やカタクリのピンク。

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一面を覆うニリンソウが春を謳歌している。

見ているだけで、我々のこころも浮き立ってくるようだ。

まだ根本は雪に覆われている木々も、待ちきれるように一斉に若葉を芽吹かせている。

雪解け水が豪快に谷を流れ、鳥たちも競うように謳っていた…。

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魚津港から見た、毛勝三山(左)。

合理的で美しい一筋の道が山頂へと、我々を導いてくれた。


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2013/5/13 (月)

球磨三山・市房山

山旅のツアーで九州・熊本の球磨三山へ行ってきました。

球磨三山は白髪岳・市房山・仰烏帽子山の三つで球磨川源流を代表する山々です。

その中で、代表格の市房山をご紹介。

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宿の窓から眺める市房山。

独立峰で風格があります。左の鋸歯状の稜線は魅力的ですが、現在通行止め。

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登山道は市房神社の参道から始まります。

屋久杉に負けないくらいの市房杉が立ち並んでいます。

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車を降りてすぐに、こんなに立派な森に出会える場所は少ないでしょう。

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切株も相当な大きさ。
子どもの杉も生えてきています。

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大きな石を積み上げた石段を登って行きます。
荘厳な雰囲気。

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4合目から7合目はかなりの急登。
7合目を過ぎると、あたりは開けてきて山頂が近づきます。

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山頂付近はツクシアケボノツツジが満開でした。

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山頂のすぐ北側にある「心見の橋」。

邪悪な心を持つものが乗ると落ちるそうです。

今回はなんとかみな渡れました!

九州の山はひとつひとつが大きくて存在感があります。


秋は大崩山あたりに行きたいです。


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2013/5/8 (水)

白砂山

5月の山は陽光が残雪に反射してポカポカ陽気。

というのは間違いで、三度目の正直はまたもや裏切られた。

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野反湖に着くと、昨日の吹雪で道路は完全凍結。

4WDのデリカといえど、ノーマルタイヤでは太刀打ちできず、途中の見晴峠からスタート。
吹き付ける風は冬のもの。準備もゆっくりはしてられない。

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写真では天気良さそうだが、依然風は強い。

でもかなり遠くまで展望が効いて、富士山や北アルプスも見ることができた。

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堂岩山へたどり着くと、目の前に白砂山が飛び込んでくる。

正直、結構遠い。

膝下程度のラッセルをこなしながら、距離を稼いでいく。

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稜線のシャクナゲは蕾を膨らませるどころではなく凍りついていた。

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北側には、鳥甲山が格好良く聳えている。

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白砂山は遠い山、野反湖までも渋川ICから3時間近くかかるし、そこから山頂まで4時間半ほどかかる。

上越国境の稜線にありながら、独立した山容で360°の大パノラマが広がっている。

際立った個性を備えているわけではないが、山好きにはきっと愛される。

登れば必ずその良さが感じられる山に違いない。


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2013/5/4 (土)

雄山東尾根

一目見て惚れ込んでしまうラインがそこにはあった…。

一昨年の黒部横断で黒部丸山中央山稜を登っているとき、
左に美しい稜線が雄山に向かって伸びていた。

その時、あの美しい尾根をたどってみたいと思った。


何の情報も持たず、ただ地図だけを携えてその場の判断で歩く。

そこに何があってどんな景色が広がっているか、自分の目で確かめたかったのだ。

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ケーブルを降りて、喧噪の黒部平を後にするとそこにいるのは山と私たちだけだった。

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快調に高度を稼ぐと眼下に黒部湖が見下ろせるようになる。

背後には後立山連峰が荒々しく屏風のように連なっている。

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ガイドブックもない未知のルートをたどる時は自ずと慎重にならざるを得ない。

そのピークの向こうに何が待っているのか分からないのだから。

危険な領域に踏み込んでからでは、後手に回る。先を呼んでの行動が必要。

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2700m付近のピークに達すると、2m先もわからないほどのホワイトアウト。

今日はここで、雪洞を掘ることとする。

豊富な雪を利用して、快適な宿を構築する。

雪洞ひとつとっても様々なテクニックやコツがあって奥が深い。

次第に吹雪はじめてきたが、土木作業で体は暑い。

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1時間30分ほどで快適な宿ができた。

雪洞の中は風もなく、非常に落ち着く。足も悠々延ばせてテントより広い。

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目を覚ますと、外は冷え込んでいて風が強く厳冬期の様相。

次第に赤く染まる空が、今日の好天を約束してくれているようだ。

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快適な雪洞を後にする。

雄山までは標高差で300m強と短いが、この先何が待っているかわからない。

時折、現れる岩場も念のためロープを出す。

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純白の尾根にトレースを刻む。

雪山は時に、人の目を狂わせる。

近くに見えるピークは果てしなく遠く、息は弾む。

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吹き上げる風が、頬に痛い。

春山とは思えない厳しさ。

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登る毎に視界が開けて、気持ちも高ぶってくる。

振り返ればそこにあるのは自分たちのトレースだけ。

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純白の薬師岳と黒部五郎岳。

先日の降雪で厳冬期そのものの姿。

美しく神々しい。

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雄山への最後の登り。

雄山山頂は室堂からの登山者が次々と登ってくる。

何か居心地の悪さを感じて足早に山頂を辞することにした。

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下降は登りの際に目をつけていた、下れそうなルンゼを降りた。

その時の雪質と傾斜をその場で判断して進むべき道を決める。


タンボ平に降り立つと、あとは黒部平目指してとぼとぼと歩くだけ。

時折、颯爽と追い越していくスキーヤーと上空を過ぎるロープウェイには少々腹が立ったが、いつもほどではなかった…。


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