山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

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2013/8/28 (水)

前穂北尾根から明神岳主稜縦走

岳人の憧れ、前穂北尾根へ行ってきた。

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これは以前に北穂小屋から撮った写真。

前穂岳山頂へ向かって鋸の歯を連ねたように続く稜線。
涸沢カールの大パノラマにおいても一際異彩を放っている。

未明に涸沢ヒュッテを発ち、5・6のコルにて日の出を迎える。

後を追ってくるパーティーもなく貸切の北尾根であった。

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4峰の登りからクライミング要素が出てくる。

眼下に涸沢小屋の屋根が赤い。

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核心を越えて3峰からクライムダウンする。

山頂は間近で多くのギャラリーが迎えてくれる。

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前穂から明神岳へ向かう。

ガレた稜線は大きな浮石が多く神経を遣う。

明神岳主峰まではほとんどが歩きだが、ところどころ易しいクライミングが必要になる。

易しいと言っても、しっかりとロープを使って登るべき場所を登らないと行き詰るだろう。

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最後のピーク、明神岳5峰から見る上高地と焼岳。

ここは上高地を見下ろすのには最高の場所である。

大正池の青い水と帝国ホテルの赤い屋根、緑の森のコントラストが美しい。

途中で拾った年代物のsimondのピッケルを山頂へ刺しておいた。

長く急峻な南西稜を下り、岳沢からの登山道へ合流して終了。

前穂北尾根と明神岳主稜のギザギザをひたすらたどる長い縦走は北鎌尾根に負けないくらいの充実度であった。

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上高地へ下山して河童橋付近より明神岳を見上げる。

いつも、よそよそしく聳える明神岳が親しみのある姿でそこにあった。


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2013/8/15 (木)

木曽御嶽山・濁河川兵衛谷

木曽御嶽山は富士山に次いで標高の高い火山である。

山深くにあり、かつ中央アルプスや南アルプスの背後に位置するため巨大な図体の割に都市部からはお目にかかれない。

信仰は厚く現在でも信者が白装束に法螺貝をもちブオーブオーと吹き鳴らしながら登ってくる。

「御嶽山は滝の山である」と言われるほど、御嶽山を源とする河川には滝が多い。

地形が急峻で高低差が大きいこと、独立峰で山体が大きいこと、降水量が多いこと、
豊かな森林を育んでいて水が涸れることがないことなどがその成因となっている。

この夏のメインイベントとして、その御嶽山の西側に深く喰いこむ濁河川の兵衛谷を遡行した。

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山麓にある厳立公園から入渓。ここまで東京からでも5時間はかかる。

ここは標高約700m。山頂までの標高差は約2300m。流程は20キロ以上である。

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入渓するとすぐにゴルジュ帯となる。
深さは膝上程度である。

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ゴルジュの中の釜が現れるたびに泳ぎを強いられる。

3泊分の荷物の入ったザックは大きく、泳ぎの際は邪魔だ(むしろ死にそうになる)。

リードが空身で泳いで、フォローをザックもろとも引き上げる作戦とした。

水温が冷たいので、なるべく水に浸かっている時間を短くしないと即座に低体温症である。

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気温が上がるまでは水から上がると荷物も身体もずっしりと重くなり堪える。

早速、雨具の上下も着用してなんとかしのぐ。

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途中の大きな滝は高巻きせざるを得ないが、やや悪い部分もある。

しかし泥壁、草付きクライミングは私の得意とするところでもある。
ヤブ漕ぎも慣れたものだ。

今回トポも地形図も持たないで来たので、周りの地形をみながら判断していく。

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ゴルジュ帯を抜けて、長い河原歩きをして、滝を幾つか高巻いて
ようやく曲滝上のポイントにたどり着き、幕営。

イワナは一匹のみ、塩焼きにして食す。

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沢は焚き火に限る。
ブランデーをがぶ飲みして就寝。

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二日目もゴルジュ帯が続く、易しい滝やナメも現れて愉しめる場所も多い。

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長大な沢なので、登るにつれいろいろな表情を見せてくれる。

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ゴルジュの側壁からは湧水が滝となって落ち込んでいる。
御嶽山はいたるところから湧水がわいているのだ。

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後半戦は登れない滝が続き、苦しい高巻を強いられる。

途中、笹がかられている巻道があったが麓の小坂町が滝巡りツアー上級をやっているそうだ。

だがしかし、ボロボロのドロドロの急斜面につけられた道はかなり危険に感じた。

今晩は材木滝上まで行きたいと頑張っていたが、材木滝はなかなか遠かった。

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これは龍門の滝というそうだが、御嶽山の神秘を感じる。

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結構ボロイ壁なども登る。重荷が堪える。

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出口のない釜も現れる。御嶽山の神秘をまた感じる。

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デカい滝も多く巻も大変。

結構ヘロヘロになって材木滝の上に幕営。

他の記録では結構余裕で到着しているようだが、今回は水量が多く余計に時間がかかるようだ(言い訳)。

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3日目は出だしから泳ぎの釜が連続する…が冷たさにひるんで高巻きまくる。

ナメの岩が多いが、苔がとにかく滑って仕方ない。

巨大なゴルジュを抜けると二俣の両方に滝のかかるポイントにでた。

まだ標高が低いようなので右俣を突き進んだが、これが間違いで2時間のロス。

巻きも悪く、危うい泥壁のトラバースを強いられたのに…。

左俣のシン谷へ入ると岩も滑らなくなって快適だった。

水が涸れそうになってきたので30m滝の前に幕営。

夕方、夕立が来たが焚き火は消えなかった。

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源頭に近づいてもまだまだデカい滝が出てくる。

この辺はどれも登れないので、巻いていくがアザミやハリブキが鋭い攻撃を仕掛けてくる。

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だんだん荒涼としてきて水も涸れるが、少し歩くとまた水流が復活する。
結局稜線の直前まで涸れることはなかった。

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日本離れした景観の中登って行く。
次第に稜線のピークが見えるようになってきた。

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2800mの日本最高所にある滝。

アイスクラインミングもできるらしい。前に登りに来たが、吹雪で敗退したことがある。

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詰めはお花畑で締めくくり。

ヤブ漕ぎはなく、見晴らしがいい。

最後の賽の河原は地獄ではなく天国であった。

御嶽山はやっぱり大きかった。


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2013/8/10 (土)

針ノ木岳~船窪岳~烏帽子岳

針ノ木岳から烏帽子岳の稜線は北アルプスにおいてはマイナー山域で訪れる人も少ない。

山稜は崩壊が進み、アップダウンも激しく思いのほか距離は捗らない。

その縦走路の途中に建つ船窪小屋は砂漠におけるオアシスのような存在である。

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整備され過ぎた柏原新道をたどり種池山荘で泊まる。

ここまでは登山者でにぎわっているが大方は鹿島槍方面へと足を向ける。

針ノ木へ向かう稜線は展望は素晴らしいし、針ノ木岳は鹿島槍に引けを取らない名峰だ。

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鳴沢岳の付近で、30匹ほどの猿の群れが岩小屋沢岳方面へ縦走していった。

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猿達はわれわれとすれ違う際はきちんと脇道にそれてくれたが、道々にたくさんの落とし物を残していくのには閉口した。

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この時期、北アルプスや南アルプスの稜線で猿に出会うことは珍しくない。
北鎌尾根でもあったことがあるが、かれらのクライミングテクニックには脱帽せざるを得ない。

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針ノ木谷を見下ろす。雪渓はあまり多くないように感じた。

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針ノ木から蓮華を越えて大下りへと歩を進める。

ここから縦走路の核心部が始まる。

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道中にはミヤマムラサキが多く咲いていた。

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船窪小屋は評判通りのよい山小屋。

やっぱりおもてなしの心が大事なんだな~。

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下界では猛暑が続いている。

山に吹く風はやっぱり涼やかで私たちの心まで爽やかにしてくれた。


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2013/8/4 (日)

雪倉岳~朝日岳

白馬岳の北に続く稜線にある雪倉岳と朝日岳は花の多い山として知る人ぞ知る山である。

豊富な残雪が解けると一斉に広がるお花畑は広大で、そこに咲く花の種類も豊富である。

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高原に突如として現れる白馬大池は心和む場所。

山小屋の前に広がるお花畑はハクサンコザクラの楽園である。

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惜しむらくは山小屋に入ってしまうと、せっかくの大池を小さな窓からしか覗くことはできないことだ。

もし建て直すことがあったら、大池を眺めることのできる大きなテラスと食堂には大きな窓を作って
朝な夕なに移りゆく大池の景色を堪能できるようにしてほしい。

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長い行程に備えて暗いうちから歩き出す。

早起きは憂鬱だが、少しずつ明るくなってくる東の空の変化を愉しみながら歩くのは格別である。

雲海から朝日が昇ると山々は輝きだして、豊富な色彩をみせてくれる。

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チングルマは朝日を浴びて歓喜の声を挙げ、風に揺られ踊っている。

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三国境から雪倉岳へ向かう途中にある鉢ヶ岳は東面を巻いていくが、そこに広がるお花畑が素晴らしい。

これが稜線をたどるコースであったなら、広大なお花畑を見ることはできなかっただろう。

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見渡す限りのお花畑。

吸い込まれそうな空。

眩しい雪渓。

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珍しいミヤマアケボノソウ。

花の種類が多いのもこの山域の特徴。

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ミヤマアズマギク。

夏から秋にかけて、次第に紫色の花が多くなってくる。

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群落をなすコバイケイソウ。

今年は何年かに一度の当たり年でいたるところで咲き乱れている。

快適な朝日小屋に宿をとって、翌日は五輪尾根を下る。

今年は雪渓が多くて通過に苦労したが、本当に大変だったのは下りきってからであった。


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