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2015/3/31 (火)
阿弥陀岳南稜
まだ3月だというのに初夏の陽気に包まれて、つい数日前まで硬い蕾だった桜は一斉に花開いた。
まだ雪の残る早朝の山であっても流れる風は暖かった。
立場岳への長い登りをこなし青ナギへ達すると続く南稜の岩峰群の果てに阿弥陀岳の頂が姿を現す。
あまりの好天に記念撮影。
残雪期の稜線には大きな雪庇がはりだしている。
振り返れば権現岳の向こうにたたずむ芙蓉峰。
ずいぶん黒い割合の増えてきた赤岳。
たどりついた山頂の標識は埋まってどこにあるのか定かではなかった。
北西稜へと続く雪稜の果てに北アルプスの峰々が白く延々と続いている。
下降にとった中央稜は厳しい日差しのせいで雪が腐りきって、一歩ごとに踏み抜く悪い雪であった。
ずいぶんと疲れてしまったのは重い雪のせいか熱い日差しのためか、あるいは自分のコンディションのためであったろうか?
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2015/3/20 (金)
日光白根山北西稜・2015
今年も日光白根山北西稜へ行ってきた。
3年連続3回目である。
気温は高く雪は緩んでいた。
始発のゴンドラで山に向かったのは我々のほかに山スキーの男性一人だった。
樹林帯ではいつもより積雪が多かったようだが、森林限界を越えたところは雪が解けて地肌が見えていた。
もともと風で雪が飛ばされてしまう上に、このところの陽気で解けてしまったようだ。
上部岩稜地帯は藪が露出していて何ともあるきにくかった。
山頂から越後の方へ眼を向けると視界いっぱいに真っ白な山々が広がっていた。
豊富な残雪はこれから夏に向かってどんどん解けていくのだろう。
そしてまぶしいほどの新緑に包まれるのだ。
下山は弥陀ヶ池方面の尾根をたどるが、一部急峻な部分があって緊張させられる。
次第に尾根は緩んでのんびり歩きとなるが、今度は踏み抜きに注意が必要だ。
ワカンに履き替えてあっという間に高度を下げる。
七色平の避難小屋はここ3年では一番多くの雪を乗せていた。
ちなみに昨年のこの時期はこんな感じ。
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2015/3/19 (木)
谷川岳・日光白根山
雪山といえども3月も半ばを過ぎれば随分春めいてくる。
ここでいう「春めく」というのは芽吹きが始まったり、花が咲き始めるわけではなく、
気温が上がって雪が締まって歩き易くなるということである。
天神平の山頂駅を出るとそこは雪山とは思えないほどポカポカしていた。
雪による照り返しもあるのであろうが、気温が異常ともいえるほどに高かった。
東京では20度を超える陽気であったようだから、無理もない。
熊穴沢の避難小屋。
地下室のように雪面より2mほど下ってようやく入口。
今年は雪が多いですね。
風も穏やかで、半そでになって汗をかきながら尾根を上がる。
これも春山の醍醐味!?であろう。
西黒尾根の分岐の道標は分厚いエビの尻尾がまとわりついていたが、
この気温では落ちてしまうのも時間の問題かもしれない。
条件がとてもよかったのであっという間に「トマノ耳」ついたので、その先の「オキノ耳」まで足を延ばす。
北に目を向けると果てしない雪山が続いていた。
下山時、山頂駅に着く直前の巻き道通過中に雪崩発生!
小規模で速度も遅かったので事なきを得ましたが、少しタイミングがずれていたら直撃していました。
やはりあまりに高温の時は注意が必要です。
小規模といえど、威力は十分なので怖いですね。
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2015/3/10 (火)
金峰山
日本列島の南岸を通過した低気圧が急速に発達し、この時期には珍しく強い冬型気圧配置を作り上げました。
予定していた上越の山は当然、厳しく(おそらく猛吹雪)好天の見込みのある奥秩父の金峰山へ足を運びました。
夏場はクライマーやキャンパーで賑わう廻り目平も静まり返っていました。
アプローチの林道も重い雪のせいで枝が垂れ下がっていく手を遮っています。
途中に現れる岩峰も雪をかぶって人を寄せ付けない佇まいです。
もっともそれを感じさせるのは重苦しい天気のせいであったかもしれません。
時折、青空も垣間見えていますが雲の流れは早く、目指す山の方には黒っぽい雲が厚くかかっていました。
尾根道に取り掛かり高度を上げていくと木々の隙間から瑞牆山が顔を出しました。
周りの山々とは異質な山容を持つ山です。
大ヤスリ岩が一つ大きなシンボルとして聳えています。
大分、青空を占める割合が増えてきましたが、たまに非常に激しい風がきます。
そうすると枝葉に積もった雪や地面の新雪が辺りを暗くするほど舞い上がって目も開けていられないほどになります。
金峰山小屋を過ぎると森林限界を抜けて風がまともに吹き抜けるようになります。
舞い上がる雪煙が雪山の厳しさと美しさを演出してくれます。
困難を越えて立つ山頂はいつもより大きな感動を与えてくれるものです。
顔を上げていられないほどの風が吹くこともありましたが、収まるときもあって少しずつ山頂へとステップを刻みます。
五丈岩に肩を並べる高さまで登ると山頂の標識をすぐ近くに確認することができました。
稜線の向こう側には甲府盆地が見下ろせて、その一番奥に頭を少しだけ雲で隠した富士山が大きく見えていました。
山頂で喜びのガッツポーズで記念撮影するのもつかの間、急激に天気が変わり始めて吹雪の様相になりました。
まだ視界があるうちに、トレースが消えぬうちにと足早に山頂をあとにしました。
森の中に入ると先ほどまでの風がうそのように穏やかでほっと一息つくことができました。
晴れ間もふたたび戻ってきて振り返った金峰山の山頂が白く輝いていました。
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2015/3/3 (火)
坊主岳
江戸を発する中山道は信州・塩尻を過ぎると木曽川の流れに沿うようになり、両岸は迫らんばかりの急峻な山々に囲れる。
その狭隘な山峡に今もなお往時の面影を残す奈良井宿がある。
道に雪の残る奈良井宿は歩く人もなく、閑寂として音もない。
旅人の渇きを癒したであろう、水は絶えることなく流れていた。
登りばかりで息つく暇もない尾根を登り詰めると背後に泰然と木曽御嶽山が姿を現した。
春の雪は踏みしめれば硬く締まって崩れることはないが、一歩が重く体力を奪う。
以前は三つのピークが均整のとれた稜線を形づくっていた「おんたけ」は白く大きな噴煙のためバランスが崩れてしまっている。
登るにつれて視界も開け木曽駒ヶ岳の緩やかな山頂も窺えるようになった。
坊主岳はもともと藪山で藪が雪で覆われるこの時期にのみ登られる不遇の山であったが、近年笹が刈払われ道ができたそうだ。
どおりで登山口には依然なかった大きな看板もできたし、木々にはピンク色の目印が付いている。
最後の急登を藪を掻き分けてこなすと、途端に視界が開け遮るものはなく見廻す限りの山々が飛び込んでくる。
山頂部は開けていて風が吹き抜け純然たる雪山の様相である。
雪に埋もれた標識を少しだけ掘り起こして、本当の山頂であることを確かめた。
周囲の高峰に埋もれ、その名の通り山容も凡庸で主張がない。
あたりの山から望んでもそれと指差すのは難しいだろう。
ただそこには一級の展望が用意されている。
ここには喧噪は似合わない。
代わりに静寂という友が何事か語りかけるだろう。
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