山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

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2016/5/30 (月)

佐渡・金剛山


5月のことです。

佐渡へ行ってきました。


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今回は金剛山へ。

石名天然杉歩道より。

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マンモス。


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ヤマタノオロチ。


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キクザキイチゲ。


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ドンデン山。


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シロバナノアマナ。


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ドンデン山荘。


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2016/5/25 (水)

芦川・濁沢


5月のことです。

甲府の南、芦川流域の濁沢へ行ってきました。


濁沢は蛾ヶ岳と大畠山の間を源とする滝の多い沢です。


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入渓してすぐに三段80mの大滝が現れます。

ここは途中からロープを出して登ります。


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白糸の滝。これは巻きます。


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途中、穏やかな渓相となります。


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途中、鏡のような水面を持つ浅い渕がありました。

日本のウユニ塩湖と名付けました。


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結構、立派な滝が連続します。

これは右を巻き気味に登ります。


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裏見の滝。

短い中に滝がたくさん詰まっていて飽きさせません。


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稜線に出ると尾根がオトシブミに覆い尽くされていました。

大発生のようです。

今年は沢にも結構行こうと思っています。


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2016/5/22 (日)

公募企画


これから夏に向けての公募企画のご案内です。

③白山縦走 7月26日(火)~29日(金)

石徹白道~白山~一里野温泉。避難小屋に一泊します。


④白馬岳~鹿島槍ヶ岳 8月8日(月)~11日(木)

栂池~白馬三山~唐松岳~五竜岳~鹿島槍~扇沢出合


詳しくはお問い合わせください。詳細をお伝えいたします。


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2016/5/13 (金)

厳冬期・剱岳北方稜線縦走 その8


激しい吹雪は今朝方まで続いた。

テントを這い出すと稜線は腰まで没する雪に埋め尽くされていた。

「強烈な風が稜線の雪を吹き飛ばしてくれる」なんて淡い期待は見事に打ち砕かれた。


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天候の悪化は常に予報より早く、回復は遅い。

例にもれずあたりを覆っていたガスが晴れるまではしばらく時間ががかった。

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ようやく進むべき稜線があらわになったので重い腰を挙げ、釜谷山直下の天幕をたたむ。

猫又山へと一歩踏み出すとワカンを履いても腰まで没する雪に、下りであっても蟻地獄のように身体が呑み込まれてしまう。


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全くと言っていいほどペースは上がらず、時間だけが蝕まれていった。

過ぎていく時間に苛立ち、遮二無二足を進めようとするにも目の前の雪は崩れていくばかりで、
何度蹴り込んでも足場は定まらない。

空身になって道をつけてもなお、荷物を背負っての重さを支えてくれるステップを刻むのには苦労させられる。

全身を使って加重を分散させてごまかしながら身体を挙げていく。


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歩きながらこの先の事を否が応にも考えさせられる。

剱岳までの行程、この先の天候、残りの食糧と燃料、自分たちの体力。

全てが揃わなければ剱岳の山頂を踏むことは適わない。
天候の回復する今日はせめて赤谷山を越えたいと考えていたが、もはやその半分に達することもできないだろう。


悔しいけれど答えはすでに明白だった。

ただ、溢れる涙が答えを出すことに抗っていた。

何度も自分自身をなだめすかし、納得させる努力をする。


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これまで保っていた気持ちも最早途切れ、足は重くただパートナーのつけたトレースをたどるだけであった。

たどり着いた猫又山は温かく僕らを迎え入れてくれている気がした。


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山頂に座り呆然としていると、ガスの中から美しく気高い剱岳が姿を現した。

真っ白な雪に覆われたその姿はいつまでも見飽きることがない。


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辺りを取り巻く荘厳な景色に感嘆の声を上げる。


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北方稜線を後にして、東芦見尾根を下る。

光溢れる尾根は剱岳を望むのにこれ以上ない展望台であった。


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2016/5/12 (木)

厳冬期・剱岳北方稜線 その7



天国への階段は果てしなく続くかのように思われた。

気の抜けない雪壁に確実にステップを刻んで少しずつ高度を上げていく。

はやる気持ちを抑えながら、時々立ち止まって荒い呼吸を整える。

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一歩ごとに目の前の雪を崩し、何度も足場を踏み固める。

幾度となくその動作を繰り返していると、まるで自分が機械になったように感じる。

無駄な動きをなくして、一定の手順とリズムを刻んでいく。


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目の前が開けて緩やかな台地へと飛び出した。

そこには微かにそれとわかる尾根が陰影となって山頂へと続いていた。


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ようやくたどり着いた毛勝山の山頂。

しかしここで全体の半分の行程でしかない。


朝のうちは穏やかだった天候が急速に悪くなっている。

できることなら今日のうちに猫又山へとたどり着きたい。


毛勝山の南峰からの下りは尾根が不明瞭でコンパスを頼りに下ったが、
尾根を外してしまいホワイトアウトの中、ルートをしばらく探す。

なんとか釜谷山へのコルを見出し、登りにかかる。


もはや視界は数メートルとなり雪庇におびえながらの登りとなった。

雪は吹き溜まり以外は割と締まっていてペースは上々であった。


東側は切れ落ちているので、なるべく稜線の西側を歩くように努める。

ホワイトアウトしているので稜線の境目が分かりずらい。


すこし東へ寄りすぎたかと思い方向を修正しようと思ったその瞬間。

私の両足の間に大きな亀裂が走った。

とっさに西側へ飛び込むと今まで歩いていた稜線が轟音と共に黒部の谷底へ崩れ落ちていった。


まるで映画のワンシーンのようであった。まさに危機一髪。


釜谷山へ着くと風雪は更に激しくなり、もはや猫又山へ向かう尾根は全く見いだせず
雪庇を踏み抜く可能性大なので山頂直下の台地に幕を張った。

夜通し、激しい風雪がテントを叩き続けた。


つづく・・・


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2016/5/11 (水)

厳冬期剱岳北方稜線縦走 その6


連日の行動と昨日の残業の疲れで明日は少しでも天気が悪かったら停滞しよう。

そうテントの中で話し合っていた。


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少々、寝坊気味に目を覚ますとテントの中はやけに明るく、
外へ顔を出すときれいな青空が広がり、まばゆいほどの光に溢れていた。

むろんこの好天を逃す手はない。


昨日までのホワイトアウトにはどれほど神経を削られたことだろう。

視界があるというだけで驚くほど快適だし、危険度は比べることができない。


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出発の準備を整えていると出し抜けにそれは現れた。

想像を遥かに超えてそれは大きく気高く、神々しく立ちはだかっていた。


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まるでヒマラヤの巨峰を思わせる風格を備え存在を誇示している。

頂上へと続く一条の道がはっきりと示されていた。

「天国への階段」と呼ばれるその道はまさしく名にし負うものであった。


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ウドの頭(ズコ)は素晴らしい展望台だ。

背後には富山湾が広がっている。


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私たちが目指す最後の頂がついに姿を現した。


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多くの岳人を引き付けてやまない「岩と雪の殿堂」。


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平杭乗越を経て西俣ノ峰への登りにかかる。


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乗越の付近には縦横にケモノの足跡がついていた。

山の住人達も久々のいい天気に活発になっているようだ。


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暑いくらいの陽気で流れる汗も心地よい。

厳冬のアルプスにおける一時の安らぎ。


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夜を彷徨う旅人はラピスラズリに導かれ、蒼穹
(そら)を目指して昇っていく…。


つづく・・・


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2016/5/10 (火)

厳冬期・剱岳北方稜線縦走 その5


駒ヶ岳を後にすると天気が次第に回復していくのを感じた。

舞台の幕が開くように目の前に雄大な景観が広がっていく。


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昨日までの強風が触れるだけで崩れてしまいそうな雪庇を造り上げている。


トッチー早く行くよ!

西側の樹林を縫うようにして進んでいく。

背後に駒ヶ岳が大きい。


トッチー早く行くよ!

吹き溜まりになると胸まで没するパウダースノー。

数多くのアップダウンを繰り返して進む。


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荒波のような大自然の造形。


午後になると次第に風雪模様となってきた。


滝倉山の肩まで足を進めて幕を張った。


トッチー早く行くよ!

翌日は出だしから吹雪。

再び雪庇におびえながら探り探り進んでいく。


雪は深く滝倉山が遠い。


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午後から回復基調の予報であったが、なかなかガスが晴れない。

わずかに目指すウドの頭を窺うことができるようになってきた。


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前半戦の核心部といわれるウドの頭は絶壁と痩せ尾根に守られたピーク。

唯一の登路である稜線は切れ落ち、大木が障壁となって立ち塞がる。


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大量の雪をまとった猛烈な藪が行く手を阻む。

頭を越す大きなザックは彼らの恰好の餌食である。


やむなく側壁を巻かなければならないこともしばしば。

一向にペースは上がらない。


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藪の中を懸垂を交えながら進む。

コルに降り立つと冷たく厳しい風が吹き上げてきた。


トッチーガンバ!

ようやくウドの頭への雪壁に取り付く。

急峻な雪壁をダブルアックスで土竜のようにラッセルしていく。


頭を超す雪を何とか踏み固めながら高度を上げる。

途中で日が暮れてこの日は残業となった。


適地を見つけ烈風のなか何とか幕をはり潜り込んだ時には20時近くになっていた。


つづく・・・


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2016/5/9 (月)

厳冬期・剱岳北方稜線縦走 その4


3:00起床。

5:30出発。

今日は昼から大荒れの予報。低気圧の襲来だ。

早立ちしてできれば僧ヶ岳を越えてしまいたい。


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出だしは風も弱く視界もほどほどにあったが、高度を上げるにつれ風雪模様となっていった。


宇奈月からの尾根を合わせるジャンクションピークからは尾根は広く緩やかになるが、
樹林はなくなり風の吹きぬける風衝地である。

特に前僧ヶ岳と僧ヶ岳の間は通称・デスゾーンと呼ばれる強風地帯。


8:20に前僧ヶ岳(とおぼしきところ)を越えると立ち止まることを許されないほどの風となった。


日本海から吹き付ける風が稜線をなめるように越えていく。

広々とした仏ヶ平と呼ばれる鞍部は目標物はなくホワイトアウトの中、
コンパスの針が指し示す方角と地形図だけをたよりに慎重に進む。

時々現れるシラビソの影を頼りに周囲の地形を把握する。


もうじき僧ヶ岳の山頂だろうという場所まで来たが、これ以上は進めない。

僧ヶ岳山頂から駒ヶ岳へ向けて稜線は90度屈曲するが、この視界ゼロの状況では下降点を見出すのは難しいからだ。
まだ9:00であるが尾根の東側に雪洞をこしらえ低気圧が通過するまで堪えることとした。


例年よりはるかに少ない積雪のため、苦心して雪の多い場所を探し穴を掘る。

2時間後ようやくテントを入れられるだけのスペースを確保し、テントを張って中に入ろうとした瞬間、
天井が崩れ雪まみれとなった。

仕方がないので雪洞はあきらめ、樹林の影にテントを移す。

骨折り損のくたびれもうけである。


強風がテントを揺らすが幸いしらびそがブロックとなり吹き飛ばされることはなさそうである。

ラッセルと雪洞づくりでびっしょりと濡れてしまった装備を丹念に乾かす

3000mの稜線とは違って水分を沢山含んだ湿雪は装備を濡らすし、濡れた衣服は体温をどんどん奪う。


水の熱伝導率は空気の30倍。濡れ対策は非常に重要なのである。


夜の間中、風の音が大きかったが、朝になり待機していると次第に音は小さくなっていった。

40センチほどの新雪が積もっていた。

駒ヶ岳へ続く尾根がわずかに見え始めていたので意を決してテントをたたんで僧ヶ岳へ向かう。


以前、視界はなく手さぐりするように山頂へ泳ぐようなラッセルをした。

山頂から進むべき方向を慎重に判断して駒ヶ岳への鞍部へと下っていく。


雪面はところどころ氷化していてワカンでは歩きづらかった。

稜線の北側には巨大な雪庇が形成されていていつ崩れるのかわからない。

なるべく尾根の南側を巻くようにして進む。


ラッセルは膝程度で快調に歩を進めることができた。

駒ヶ岳の手前には急な雪壁が現れ、ダブルアックスで慎重に進んだ。

以前、視界はなく雪庇におびえながら駒ヶ岳の山頂に立つ。


ここからの下りも視界がなくては危険なので山頂の東側に幕を張った。

翌日は晴れ予報なのでしっかり体を休め明日に備える。


テント内ではなるべく水分を摂るためにお茶ばかり飲んでいる。

行動中はほとんど水を口にすることができないからだ。

脱水は凍傷や低体温症の要因にもなるし疲労も抜けにくくなる。


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3:30に起きて外を覗くとまだ吹雪いていた。

山頂の雪庇が発達してテントまで迫っている。


朝から晴れると思っていたが、そううまくはいかない。


8:00頃ようやくガスが晴れ、周囲の山が姿を現してきた。


「トッチー早く行くよ!」


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駒ヶ岳からサンナビキ山へ続く稜線。毛勝はまだ姿を現さない。


つづく・・・


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2016/5/8 (日)

厳冬期剱岳北方稜線縦走 その3


うっすらと着いたトレースをたどって始まりのピークである鋲ヶ岳を目指す。

標高は861mの低山なので30分ほどで山頂へ達することができた。


しかしながらここから3000mに近い剱岳を目指すことに途方に暮れる思いがする。

単純な標高差は2000m以上であるが、その間にいったいいくつのアップダウンがあるのだろうか数える気にもならない。


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しばらくは積雪も膝下程度で快調に歩を進めることができた。

何時しか雪も止み、雲の切れ間から日差しが漏れるようになった。

陽の光を浴びるだけで汗ばむほど暖かいし、心も軽くなる。


平坦な尾根道から烏帽子岳へ高度を上げ始めると積雪は増えてワカンを履いて進むことにした。

この高度までは雨であったのか、重く湿った雪に踏み出す一歩は重かった。

それでも例年の遅々として進まぬ泳ぐようなラッセルに比べれば羽の生えたような気分である。

何せ先頭が荷物を背負ったまま歩くことができるのだから。
(深いラッセルでは先頭が空身でトレースを着けた後、ザックを取りに戻らねばならない)


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烏帽子山手前の1232mの広々としたピークを過ぎると尾根は次第に痩せていき
山城に空堀を巡らせているかのような幾つものギャップを越えていかなければならなかった。

烏帽子山の山頂は近いのになかなか近づかないことに苛立ちを覚えるが、ともかくも空堀を越えていく。


最後の急登をこなすと眺望のよい烏帽子山へと達した。


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二日目に通過する予定の烏帽子山を早々と足下にしてゆっくりと足を休める。

眼下の雲間には広々とした富山平野と伸びやかな海岸線を境に富山湾を窺うことができた。

行く先に目を向けると僧ヶ岳の稜線がが大きく緩やかな孤を描いている。

彼の山をこの時期に制覇するだけでも一苦労の雪山登山といえるかもしれない。


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東に目を転ずると北方稜線と並行しているだろう白馬三山から後立山の稜線は
回復が遅れているようでなかなか姿を現さない。


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幕営予定の林道別又僧ヶ岳線を越えた広々とした尾根上にテントを張って今日の宿りとする。

朝の強い雨のあとは天気は回復へと向かい、青空の除く快適な雪山日和となった。


こんな日が続いたら今回の縦走も容易くやり遂げられるに違いないのだが…。



つづく・・・


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2016/5/7 (土)

厳冬期・剱岳北方稜線縦走 その2



漆黒の闇を二筋の光が照らす。

右へ左へその光は躍るように激しく揺れ動いていた。

時折、無数の小石を叩きつけるような激しい音が耳を打つ。


私たちを乗せたタクシーは有無を言わさぬ勢いでスピードをあげエンジン音を響かせている。

深夜バスを黒部ICのバス停で降りると、車は30分もフライングして現れ
私たちよりもはるかに高いテンションで登山口へと走っていた。


一方、当方としては未明より降り出した激しい雨に気落ちし、少しでも出発を遅らせたい心持ちだったが
そんなことはお構いなしである。

車の屋根を叩く音は更に激しくなり、ヘッドライトには飛び散る霰が映し出されていた。


車に揺られながら今回の山行計画を思う。


毎年、年末には長期の雪山へ入ることを常としている私だが、
その中の候補としては剱岳は外せない山だ。

数年前にいった黒部横断は私の中に強烈な印象を残している。

再び、剱を目指すうえで理想的なラインとしては荒々しいピークを連ねる北方稜線が随一だろう。

通常、剱岳北方稜線というと毛勝山から剱岳を指すことが多いが、
地図を広げると毛勝三山の北にも脈々と稜線は連なっている。


完全縦走するからには末端の鋲ヶ岳から目指すのが最も理想的なラインといえるだろう。

幾多のピークを越えて剱岳を目指す。

遥かなる道のりである。


鋲ヶ岳~烏帽子山~僧ヶ岳~駒ヶ岳~サンナビキ山~滝倉山~ウドの頭~西俣の頭~毛勝山~釜谷山~猫又山
~赤谷山~赤ハゲ~白ハゲ~池の平山~小窓の頭~長次郎の頭~剱岳~馬場島


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霰が霙に変わるころ道はシャーベット状の雪に覆われ、
先ほどまで地の果てまで進もうとする勢いであった車はあっさりと停車し、私たちを車外へと追いやった。


幸い登山口となる嘉例沢公園まではわずかな距離で、
全身ずぶ濡れとなる前にキャンプ場のトイレの軒下に逃げ込むことができた。


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冬期閉鎖されたトイレの庇は小さく、霧雨状の雨は容赦なく荷物を濡らしていく。

やがて明るくなってくると周囲が霧の中にぼんやりと浮かび上がり、
きちんと雨をよけられる炊事場へと逃げ込むことができた。


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寒さで震えながら待つこと3時間。

ようやく雨は小やみになり、私たちは重い腰をあげ、重い荷物を背負ったのである。


つづく・・・


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2016/5/6 (金)

厳冬期・剱岳北方稜線縦走記 その1




「 葛藤 」


そう呼ぶにはあまりにも答えははっきりとしていた。


それを悟った時、とめどなく熱いものがこみ上げて来た。


今まで必死に抑え込んでいた感情が溢れ出し堪えきることができなかった。


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それでも幾度となく考えをめぐらせ、思いを反芻する。


本当にこれでいいのか?

後悔はないか?

妥協はないか?

困難から逃れたいだけじゃないのか?


重く苦しい一歩を踏み出す度にその答えはますます抗えないものとなっていくような気がした。


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わずか水平距離1000m、標高差100mほどに3時間半以上を要していた。

通常であれば40分もあれば到達できただろう。昨日までは…。


一晩のうちに稜線は胸を没するディープパウダースノーに埋め尽くされていた。

ワカンを履いてもなお、底なし沼をいくが如く足を取られ、全力で立ち向かってもスピードは一向に上がらない。


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体力の消耗とともに気力がどんどんと奪われていくようだった。

成功への渇望だけが前へ進む動力であった。

遅々たる歩みが、まとわりつく雪が、必死にしがみついていた希望を蝕んでいったのかもしれない。


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力ない足取りで猫又山へたどり着き腰を下ろすとしばらく立ち上がることができなかった。


とうに気持ちの整理はついているはずなのに・・・

その先に続く北方稜線、雲に覆われた剱岳から目を離すことができなかった。


つづく・・・


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