山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

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2017/1/30 (月)

岩根山荘アイスイベント


そういえばこんなイベント事のお手伝いもしてました。

川上村にある岩根山荘のアイスクライミングイベントです。

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一泊二日でたくさんのかたが参加されました。

天気にも恵まれました。


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人工の氷瀑ですが、トレーニングとしては最適ですね。


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少々近いけど仕方なし。

皆さん楽しまれていたようです。


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2017/1/29 (日)

御勅使川・上荒井沢 トリコルネ


お次は広河原アプローチで通過する芦安の奥にある氷瀑です。


参考書にまんまと騙されて午前中は林道ハイキング。

午後から滝に取りつきました。


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車がたくさん停まっていたので混んでいるかと思いきや貸し切り。

皆さん上に行ってしまったようです。


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氷は柔らかく刺さりは良好。


この氷瀑のことを「トリコルネ」といいます。

アイスクライミングでは固有の滝の名前の他に初登者がルート名を付ける習わしがあります。

ちなみに「トリコルネ」とは洋ランの一種の名前のようです。


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時々、氷とともに小石も降ってきました。

アプローチがわかってしまえば近くて良い氷ですね。


そういえば乾いた岩の講習もやってます。

2月13日(月)湯河原・幕岩12000円いかがでしょうか?


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2017/1/16 (月)

大武川 一ノ沢大滝


1月は乾いた岩を封印して氷を登ってました。

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大武川・一ノ沢大滝120m。

鳳凰三山の衛星峰・離山の懐にある大滝。


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アプローチは5時間くらい。

雪がサラサラ過ぎて沢床を踏み抜いてしまいやや困難。


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1ぴっち目はグサグサの氷。

上部は傾斜が落ちて快適。


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「セカンドはさっさと登れ!」の図。


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2ピッチ目は一応核心。

階段状からややバーチカル。

3ピッチ目は80度くらいを左上からの雪壁。

4ピッチ目は10m70度から歩き~ワンポイント乗越。


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奥にある中滝50mバーチカルを見学。

時間切れにて帰路に着く。


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2017/1/14 (土)

厳冬期 飯豊連峰敗退記 その4


静かだった昨夜とは打って変わって、暴風が唸りを上げる。

猛り狂う獅子の咆哮が一晩中小屋を支配する。


夜明けを待って外を伺う。

昨日の景色とは何となく違う。

風雪の合間に微かに地面の起伏を感じる。


昨夜の烈風が降り積もった雪を彼方へ吹き飛ばし、固く凍った雪面を洗い出したのだ。

僅かながらも凹凸のある雪面は大地の起伏を伝えてくれる。

辺りを伺うと昨日はいくら歩みを進めても白一色であったところが、笹の葉や岩が露出している。

とは言っても視界は10mあるかどうかだが。


機を逃しては脱出はより困難になる。

不退転の覚悟なくしては下山は有り得ない。

意を決して小屋を発つ。


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コンパスと地形図だけを頼りにホワイトアウトに身を投じる。

10歩進むたびに磁針の指し示す方向を確認する。

それでもいつの間にか進路は大きくずれている。


何度も修正を重ねながら苦労してはっきりと現在地がわかる場所までたどり着いた。

地図上では間違えようのない地形であるが、目標物のないなか思い通りに進むことがなんと難しいことか。


常に強風が吹きつける稜線ではゆっくりと考えている暇はない。

自分を信じてとにかく進む。


分岐である扇の地神から伸びているはずの梶川尾根は全く確認できず
手探りのようにして一歩ずつ確かめながら歩んでいく。

右往左往しながらようやく尾根らしき高みに乗ることができた。

高度を200m下げると少しずつ背の高い木が現れ、格段に地形を確認しやすくなった。


そうとなれば怖いことはない。

雪も締まっていてきわめて歩きやすい。

一気にスピードをあげてどんどん下る。


視界があるのはどれほど安心なことか思い知る。


梶川峰を過ぎて樹林帯に入ると今度は遠くを見通せなくなる。

尾根も複雑になり雪も深くなる。

少しでも進路を誤ると修正するのに大ラッセルが必要になる。


正しい尾根か判断に迷ったとき、ふとガスの切れ間に急峻な石転び沢が姿を現した。


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周囲の尾根は鋭く谷へと落ち込み黒部の雪稜や谷川の一の倉沢を思わせる。

どの尾根をたどろうとしても困難に満ちたバリエーションルートとなるに違いない。


アップダウンを繰り返しながら孤独なラッセルを続ける。

ルートを修正し標高800m付近まで高度を下げて大晦日の幕営となった。


翌日は眼下に見える林道めがけて下る。

雪は重く湿って歩きずらいがあっという間に林道にたどり着いた。


あとは雪崩に怯えながら黙々と林道を延々ラッセルするだけ…。


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久方振りの風呂に浸かり、ビールを飲む。

窓の外を伺うと山では拝むことのできなかった太陽が雲の間から顔を出した。


稜線は未だ雲の中。

次に山並みが姿を現すのはいつのことだろうか…。


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2017/1/13 (金)

厳冬期 飯豊連峰敗退記 その3



巨大なブルドーザーが出力を最大にして狂暴なブレードを振り回し小屋を土台から取り壊そうとしている。

轟音が小屋の中を支配し眠りを妨げる。


どれほどの勢いの風が吹けば、頑強な小屋を震わせることができるのだろうか?

一瞬、静かになったと思わせると次の瞬間、雷鳴が響き渡るような激しさで屋根をアラレが打ち付ける音がこだまする。


翌日の9時くらいに風の音が収まり、「もしかすると行動可能か」と思わせる。

試しに外へ一歩踏み出すとまともに目も明けられないほど雪が巻き上がって視界もなくすぐさま小屋へと舞い戻った。

昨夜の風はいかほどのものだったのか。


前線が通過するこの日は停滞を決め込み、ラジオを聞いて過ごす。

この先の長期予報は絶望的。向こう一週間は「大荒れ」か「風雪の荒れ模様」のどちらかしかない。


もはやこの先進めばドツボにはまることは明白。

冷静に考えれば、敗退することさえタイミングを逸すると困難になるだろう。


それでも外が静かになると「先にすすめるのでは?」とか
「御西小屋まで行けば何とかなるか?」とか「食糧と燃料が続く限りは粘らなければ」
なんて思いが持ち上がってくる。


再び、風の音が強まれば「行動するなんて自殺行為だ」「利尻の二の舞になる」なんて思いがその度に大きくなってくる。



その日の夜は風の音はなく本当に静かだった。


それでも過去の苦い経験が私を楽観的には決してさせない。

静かでよく眠れるときは決まって、目覚めるとテントがつぶれそうなほど雪が積もっていて
泳ぐようなラッセルを強いられるのだ。


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テントから出て窓をみると案の定、二階の窓は完全に雪によって埋没しているのだった。

雪を除いて外へ出ると風当たりが強く、ガチガチに凍っていた場所もどっぷりと深雪に覆われている。


予報では明日は再び前線が通過してその後冬型が強まるらしい。

脱出するならともかく今日以外ない。


意を決してテントをたたみ、小屋の戸締りをして足を踏み出す。

せめてすぐそこにある門内岳の山頂を踏んでいこうと歩き出すと一瞬で白一色の世界となった。


空と地面の区別はなくストックで突き刺して確認していかないと足を踏み出すことができない。

小屋から20mほどしか離れていない山頂には大きな社があったはずだが…
当然見えるはずはなく、とにかく今いる位置より高いところを目指す。


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ふいに氷の壁が現れたと思ったらそれは山頂に立つ社であった。

それがなければ山頂を探してしばらくあたりをうろついていただろう。


写真を撮ってひとまず小屋へ戻るべく踵を返すとすでに自分の足跡は風雪に洗われ跡形もなくなっていた。

下りは余計に進む手がかりがなく、コンパスの針と勘だけを頼りに歩くと何とか小屋の影を認めることができた。


小屋からは元来た北の稜線をたどる。

扇の地神まで戻って梶川尾根を下る予定だ。


コンパスの針を慎重に合わせて勇気を出して足を踏み出す。

純白の空間に勇気をもって進むと次の一歩が下りなのか登りなのかもわからぬ目隠し状態となった。

雪はワカンを履いても胸まで埋まるどパウダー。スキーヤーなら垂涎ものだ。


慎重に歩いていくと地形図を見て想像していた地形とも違う、第一おととい歩いた場所だから明らかな違和感がある。


進むべきか戻るべきか思案して振り返ると数分も歩いていないのに小屋はすでに見えなくなり、

すぐ後ろの足跡も見る間に消えようとしていた。


これ以上進むと小屋に戻ることもできなくなると恐ろしくなり、消えかけた足跡をだどって小屋へ舞い戻る。

明らかに地形がおかしいのは強風と大量の降雪が地形そのものが大きく変えてしまったとしか考えられなかった。


自分で閉めた小屋を再び開けて状況が改善するのを待つ。

待てども待てども天候はむしろ悪化するのみ。


なすすべなく門内小屋にて二日目の停滞となった。


つづく・・・


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2017/1/12 (木)

厳冬期 飯豊連峰敗退記 その2


日付を跨ぐ頃から激しい雨がテントを叩く。

降り始めが予報よりも少し早いようなので、その分早く過ぎてくれることを祈った。


明け方近くなると霙から雪へと変わっていった。

気温が下がって衣服を濡らさないような雪となったころ合いを見計らってテントを畳む。


しばらくは尾根伝いに樹林の枝先が見えているし、基本的に登りなので迷うことなく前杁差岳を目指す。


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前杁差岳からは平坦な頂稜を行く。

ここからは風を遮ってくれるものは何もなく吹き上げる風がまともに体にぶつかってくる。

巻きあがる雪が視界を遮って辺りの地形を隠す。

辛抱強くコンパスの針と地形図を頼りに歩き杁差岳の山頂に立った。


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山頂から僅かに下ると懐かしい避難小屋が姿を現した。


「この風では」と小屋に入ることも考えたが、時間も早いし風が抜ける分、
笹がところどころ顔を出しているから大きく方向を誤ることはないだろう。

何より何度も歩いている稜線だから地形は熟知している。

先に進むことを決めて小屋影で行動食を補給する。


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鉾立峰、大石山を順調に越えて頼母木小屋を目指す。

ラッセルが次第にきつくなってきたが、風が強くまともな休憩はとれない。

最後のひと登りをすると頼母木小屋が氷をまとって佇んでいた。


冬季入り口は二階の窓。

梯子を登って窓にまとわりつくエビの尻尾をピッケルで丁寧に落とす。

凍り付いた窓は簡単には開かないが苦労の末、開けることができた。

中に入ると風から守られた空間にようやく生きた心地がした。


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夜は昼にもまして風が強まった。

獰猛な唸りをあげて小屋を揺さぶる。


外は果たしてどうなっているのか?

風が止まない限りは行動はできない。

それでも小屋の中は守られているから身体を休めることに専念する。


雪に覆われた窓からわずかに明るさを感じられるようになる頃、
風の音が少し和らいだ。

下界の予報ではあるが、ラジオが天候回復の見込みを告げていた。

少しでも歩ける条件の時に進んでおくべきと小屋を出る。


出だしこそ行く先がぼんやりと伺えていたが、すぐに前後不覚のホワイトアウトとなった。

戻ることも困難なので同じ困難なら前に進もうと決める。


風も更に強まって目も明けられないほどだ。

ゴーグルはすぐに氷に覆われ役にたたなくなったが、
していないと凍傷になりそうだったので、時折装着して顔を解凍するために使う。


地形図頼りに登っていくが、地形は登っているかどうかしか分からないし、距離感もつかめない。

昨日まで頼りにしていた笹の葉も雪に覆われているところのほうが多く、自分の足元しか見えない状態で進む。


唐突に目の前に氷の塊が現れて、すぐにそれが頼母木山の山頂標識であることに気づいた。

氷をはがすと「頼」の文字が確認できた。


その先は風が稜線の雪を払い大まかな地形をつかむことができた。

風は相変わらず強いが、それに耐えさえすればどんどん進むことができる。

地神山、扇の地神と越えて門内小屋へ近づく。


小屋まであと少しというところでまたも完全に視界がなくなった。

地形も平坦で特徴がない。

コンパスだけを頼りに進むと一瞬、門内小屋の影が風雪の中に浮かび上がった。

思いの他、近くまで来ていたことに驚く。

再び見えなくなったが、そこを目指して進むと今度はしっかりと小屋の姿を確認することができた。


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雪で埋まった二階の入り口を掘り起こして中に入ることができた。

まだ12時くらいであったが、辛うじて小屋に入れたような状況だったので
先に進むことは諦めて中にテントを張る。

風はあくまで強く、視界も回復しない。

結局、天気の好転予報は下界だけの話だったようだ。


つづく・・・


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2017/1/11 (水)

厳冬期 飯豊連峰敗退記 その1



山へともに行くパートナーがいないことは、その山行を止めにする理由になり得るだろうか?


自然との対話であったり、挑戦という意味においてはむしろ、
その間に差しはさむものの一切ない"単独行"という形が理想的である。

全てを自分自身の判断で行い、行動を決定する。誰に対して気兼ねすることもないし気を使う必要もない。

いつでも止めることもできるし、いつまで続けてもいい。


危険やリスクとの向き合い、受け入れるかどうかは自分次第である。
ただ一つルールや縛られるものがあるとすれば、「自分の足で山を下りて家に帰ること」かもしれない。

あるいは最大限そうしようと努力することではないだろうか。



人の通わぬ厳冬の山に入る気持ちはいつも重苦しい。

中止せざるを得ない何らかの仕方ないことが起きないか内心期待する自分がいつもいる。
独りである今回はなおさらだ。

「それでも行かずに後悔はしたくない」という思いで自分を奮い立たせる。

その二つの思考を山行が近づくと絶えず繰り返す。


そんな迷いを振り切るように新潟行きの夜行バスに飛び乗った。


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新潟から羽越本線で坂町へ、そして2時間半の待ち時間を経て米坂線に乗り換え越後下関駅まで。

電車のなかから白く輝く杁差岳の姿が伺える。


今日は稜線も穏やかな様子。
こんな天気はできれば後にとっておきたいところである。


ここからタクシーに乗り換えて大石ダムへ向かう。

運転手のおじさんは夏はよく送り迎えするが、冬は初めてだと言っていた。


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ダムから林道歩きが始まるかと思ったが、雪が少なくゲートのある彫刻公園まで入ってもらうことができた。

今年は麓の雪が少なく林道を延々とラッセルしなくても良いようである。
進むにつれて雪が増えていくが快調に歩くことができた。


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林道終点の杁差岳登山口から山道へ入る。

膝下の雪でアイゼンのまま進むことができる。

下手をすればこの日は林道終点当たりまでと思っていたが、どんど進むことができた。


尾根に上がると朝日連峰が白く輝いていた。
遠く蔵王の山並みも見える。


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初日は重荷にもなれず調子も上がらないが、コンディションのいい時になるべく歩を進めるのは冬山稜線歩きの定石。

ひとたび荒れたら何日も動けなくなることはザラである。


最終的には二日目の幕営予定地の千本峰付近まで進むことができた。


今夜から明日の朝にかけて低気圧通過で雨予報。

夜にはゴウゴウと山が鳴るような音を立てて暴風がテントを揺すった。


つづく・・・


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2017/1/2 (月)

賀正 2017



あけましておめでとうございます。


昨年末より単独で飯豊連峰に入山していましたが、
連日の悪天のため中途敗退となり昨日下山して参りました。


今年も皆様と楽しい山登りをできれば嬉しく思います。


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※写真は夏のアルプスです


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