山岳ガイド 佐藤勇介のブログです。

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Tag: 開放骨折

開放骨折

今日、クライミングジムへいって準備体操をしていると「バーン」という音がしてた。
何か大きなものでも落ちたのかなと思っていると、人がうずくまっている。

どうやらケガ人が出たようだ。

ボルダ―エリアのスラブ壁の最上部より足が滑って下のマットの隙間に足が挟まってしまった。


通常なら、捻挫か単純な骨折といったところだが、今回のケースは解放骨折。

開放骨折とは折れた骨が皮膚を突き破っている状態の骨折のことをいい感染の危険性がある。
なにしろ骨がむき出しになっているので細菌感染しやすいのである。


残念ながら私が近くに行ったときにはタオルで患部を抑えている状態だった。
せめて滅菌ガーゼで…と思ったが後の祭りであった。

周りの人々はおろおろするばかりで何もする様子がないので、私がいろいろ指示を出した。

WFA(ウィルダネスファーストエイド)においても開放性骨折の処置を学ぶ。
しかしこの場合はウィルダネス(野外)とは言えないので、積極的な処置は求められない。

必要な対応は救急車を呼ぶことはもちろん、この場合ショック症状への対処が必要である。

楽な姿勢にし(寝かせ)、足を拳上する。体を保温して、顔色、呼吸、発汗などに変化がないか常にチェックする。

あとは救急車が来るのを待つ。

それまでの間に傷病者のメンタルのケアをすることは非常に重要である。

余計な不安を取り除き、勇気づける。常に声をかけ続けて安心させることが大事である。意外とおろそかになっていしまうことである。
周りにいる人間はあわてず落ちついて対処する。周りの人の動揺はすぐに伝わってしまうので…。


今回のような事故に遭遇することは山の中においてもありうることだ。

その時は救急車はすぐには来てくれないので、自分たちで応急処置をしなければならない。

救急隊が駆け付けた後の処置を観察していたら、WFAで習ったことをそのまま実践していた。

こういう時に適切な対処ができるかどうかは、常にファーストエイドについて学んでおかなければならないだろう。

私も昨年秋、今年の春と半年で2度講習を受けているが、完全に落ち着いて最適な処置がすぐにとれたわけではなかった。

さらなる努力が必要なようである。


コメント

  • このクライミングジムって、入間市ですか?
    怪我した日が同じだったので、もしかしたら、と思いまして。。。
    【 ぽっきり 】 2012-02-16 (木) 15:08:42

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