FrontPage/2010-10-21
六十里越街道 湯殿山~細越峠~田麦俣
志津から焼山尾根、大岫峠を越え、ザンゲ坂を登ると湯殿山は近い。
赤い大鳥居が目の前に飛び込んでくると急に喧騒の世界にきたようだ。
湯殿山は古来、出羽三山の総奥の院とされ、「語るなかれ」「聞くなかれ」と戒められた神秘の世界。
松尾芭蕉は「語られぬ 袂をぬらす 湯殿かな」と詠んでいる。
一本橋をわたり齋藤茂吉も泊まったといわれる笹小屋跡を過ぎ細越峠を越える。
落ち葉の積もった歩き易い道が続く。
鮮やかに色づく楓 早くも苔が生えてきた道標
大堀抜(オホノギ)、小堀抜(コホノギ)と呼ばれる切通しを抜けていく。
緩やかな下りがつづく。ブナの林が心地よい所だ。
月山遥拝所からはひろびろとした眺望が広がる。
千手観音が手を広げたように見える、千手ブナ。
手を繋いでいるラブラブナ 龍神ブナ
日本百名瀑の七ツ滝を見下ろす。紅葉には早かった。
蟻腰坂の入口 可愛い道標
田麦俣の多層民家。入口からの外見が1階建てで内部は3~4階層という造り。
タイムスリップしたようにのどかな風景が広がる。
田麦俣のシンボルの時計台 昭和を感じさせます
今回歩いた道のほとんどが1200年前のものとほとんど同じ道で同じ風景が広がっていただろう。
ブナの大木に感動し、湧水にのどを潤し、路傍の石で一服する。
全く変わらない。
時代は進み都会では想像すらできないほど人々の生活は一変している。
しかしここでは千年以上も変わらない道や風景が残っていた。
これから千年、二千年とこの街道と風景が続いていくことを願って止まない。
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