FrontPage/2011-05-12
祖母山・黒金山尾根コース
大分の3日目は祖母山に登りました。
深田久弥によって日本100名山に選ばれた祖母山は現在、北側の神原コースから登られることが多いようです。
あるいは安易なピークハンターなどは最近できた五ヶ所コースから最短経路を往復するような登り方もされています。
祖母山の東面と西面は全く違った山容をしています。
東面は谷が急峻に落ちていて懸崖をなし稜線には岩峰を連ねています。
西面は穏やかな斜面にブナなどの森が発達しています。
今回は祖母山の険しさを存分に味わえる黒金山尾根を登りました。
予報では天気は危ぶまれましたが、朝起きると青空が!
次第に崩れることは承知しながらも、意外とそんなに悪くならないのでは?というヤマ勘で出発。
尾平の登山口からは険しい稜線が窺えます。
清流に架かる吊り橋を渡りながら歩きます。
途中、滑りやすい石や渡渉などもあります。
尾根に取付くと出だしから苛烈な急登が待っています。
高度を上げるとツクシシャクナゲが多くの花を咲かせていました。
稜線まであと一息というところで強い雨が降り出しました。
足元は滑りやすく、ズルズルしながら登ります。
稜線に出るとアップダウンを繰り返します。
途中たくさんの展望台がありますが、ガスに覆われているので残念ながら通過します。
山頂直下は特に険しく、ハシゴや鎖の連続。
最後の難所(ロープがなければ4級くらい?、巻くことも可能)を越えるとひょっこり山頂へ出ます。
普段、にぎわっている山頂はこの日に限って貸切でした。
下山を宮原コースへとり馬の背付近にくるとガスも晴れてきてアケボノツツジが満開の花を咲かせていました。
今回のコースは祖母山のイメージを一変させるもので、険しく厳しい祖母山の一面をじっくり味わうことができるものでした。
やはり名山は様々なルートから登って初めて深く味わうことができるのでしょう。
最後に深田久弥の言葉をかりて締めくくりたいと思います。
「一瞥直ちに人を惹きつけるという際立った山容ではない。ケレンもなく、奇抜さもない。
しかしその滋味はみつめるに 従ってじっくりと来る、といった風の山である。
こういう山は流行には乗らないが、不易の命を持っている」
コメント