FrontPage/2012-02-11
独鈷山・三ツ頭
3月に知床岳へ登る予定のお客様のトレーニングとして一泊で雪山へ行ってきました。
初日は長野県の上田にある独鈷山(とっこざん)。
独鈷山は上田市と旧丸子町の間にあり、「信州の鎌倉」と呼ばれる塩田平の南に、
鋸歯のように険しい山容を見せています。
独鈷とは仏具のひとつで、仏敵を滅ぼす武器にも使われるといい、山容が鋭く切れこんで独鈷に似ているからという命名説と、
弘法大師がこの山に独鈷を埋めたからという説もあります。
別名〝信州の妙義山〟とも呼ばれ、命名説のように谷は深く切れこみ、
奇岩や垂直な岩壁をそばだててなるほど妙義山にも似ています。
今回は登山口の近くに中禅寺のある「西前山コース」から登りました。
このコースは上部に岩場があるものの、慎重に通過すれば積雪期でも安心して歩けるコースです。
積雪は山頂付近で30~40センチくらい。
この日は天気が良く、展望を欲しいままにしました。
塩田平を挟んで浅間山が美しかった! そして槍ヶ岳まで!!
標高1266mとは思えない大展望の山です。
何度も訪れたい、まさに名低山です!!
翌日は八ヶ岳の権現岳を目指しました。
連休だけあって多くのパーティーが入山していました。
傾向として、テント組は大人数でわいわい。
日帰り組は単独のおじさんという感じでした。
天女山を過ぎると長い登りが続きます。
アイゼンでの登行は無雪期とは少し使う筋肉が変わるので、慣れないと疲れます。
傾斜に合わせていろいろなアイゼンの置き方を覚えると楽になります。
青空に真っ白な霧氷が輝いていました。
冬山に登らなければ見られない、登山者へのご褒美です。
冷え込みが厳しく晴天率の高い八ヶ岳では条件的には出会える確率は高いでしょう。
三ツ頭へ着くと権現岳が圧倒的な姿で鋭く聳えています。
「槍ヶ岳より尖がってるじゃん…!!(先端は)」。
激しい強風が私たちの体を揺さぶり、厳しい寒気が頬を刺します。
一時、風下へ避難して様子を伺いますが風が収まる気配はありません。
残念ながら、「今日はここまで」と判断させていただきました。
「残念!!」、「ホッ…」、「ニヤリ」。いろんな表情がゴーグルの奥に垣間見えました。
晴天の下、富士山を正面に望みながら、足取り軽く下山します。
登りはつらいが、下りは楽ちん。
いつしか風は止み、赤岳や阿弥陀岳も顔を出しました。
背中越しに権現岳が「まだ力をつけて出直しておいで!!」と語りかけているようでした…。
空がどこまでも青く澄み渡っていました。
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