FrontPage/2012-02-22
厳冬期・西穂高岳~奥穂高岳縦走 その2
3日目。6時出発。
烈風でテントの撤収に苦労する。
間ノ岳への登りにかかる。
夏道は飛騨側へ回り込みルンゼを登り返すが、トラバースが嫌らしそうだし、強烈に風が吹き上げている。
信州側は傾斜はゆるいが、逆層のスラブで岩が露出しているところが多い。
私たちは信州側スラブの雪を繋いで登攀した。
登ってみると、雪が繋がっているように見えたところは、薄く雪が乗っているだけで直ぐに岩が出てしまいアイゼンが効かない。
一度、荷を背負ってトライしたが、慎重を期して一度戻り、空身で登ってから一度下降し、再び荷を背負って登り返した。
間天のコルへは岩を拾ってクライムダウン。
天狗岳へは飛騨側の雪壁を登る。
吹き上げの風で雪面はクラストしアイゼンの前爪しかささらない場所も多く、難しくはないが支点も取れず、慎重に登る。
天狗のコルへは夏の鎖場のやや上部より懸垂下降にて降り立った。
この時点で12時になっていた。
間ノ岳への登りでかなり時間がかかってしまったこともあるが、冬は違う。
夏では1時間半もあれば達する行程であるのに!
ここからコブ尾根の頭までは夏の記憶では1時間ほどの登り返しで悪場はないはず。
高度を上げるにつれて、アイゼンでは悪い岩場が連続する。
ロープを出すべきか判断に迷うような場所が延々と続いた。
今回はパートナーの登攀能力を信頼して、ノーロープでこなしていく。
コブ尾根の頭についた時点で15:30。
目標の穂高岳山荘冬季避難小屋ははるか向こうで達するのは絶望的。
「避難小屋でぬくぬく大の字」の目論見は脆くも崩れ去ったのである。
ジャンダルムを目前とする最高のロケーションにて幕営する。
風当たりが強そうなので、スノーブロックを積んだ。
余談であるが、この夜、いつの間にかプラティパスの蓋が緩んでいて(穴が空いていた!?原因は不明)
起きて見て気づくと水がもれていた(全て凍っていた)。
厳冬期の山ではいろいろなことに気を配らなければ大変なことになる…。
(その3へつづく…)
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