FrontPage/2012-03-13
宇連山・明神山
関東平野に次ぐ広大な濃尾平野を持つ愛知県は、山国日本の中では山の少ない県のひとつだ。
その愛知県の山の大半は三河地方に位置し、中でも木曽山系と赤石山系がぶつかり合う
岐阜、長野、静岡の三県の境に接する奥三河の設楽地区に集中している。
設楽山系とも呼ばれる奥三河の山は流紋岩や石英安山岩、玄武岩などが露岩として見られ、
特異な荒々しい景観を呈している。
宇連山は設楽山群の中で最大の山容を誇る山で四方に大きな尾根を伸ばしている。
岩稜の続く尾根がアルペンムードを醸し出している。
だが高度感はあまり感じられない。
単純標高差はないが激しいアップダウンを繰り返していく。
なかなか近づかない山頂に焦りを覚える。
幾つものピークを越えてたどり着いた宇連山山頂から明日登る明神山を望む。
強い冬型の影響から普段雪の降らないここにおいても霰が降って、少し地面を白くしていた。
愛知県において最も登り外のある山とされる明神山は清流が美しい乳岩峡から登った。
透き通った水がなだらかな一枚岩の岩床を音もなく流れる。
見上げる乳岩は白く大きく輝いていて、どこか日本離れしている。
登山道の途中には鬼岩や傘岩など圧倒的な存在感の巨岩が点在して飽きさせない。
大きく庇がせり出した傘岩。クライマーにはハイカラ岩と呼ばれている。
国内屈指のルート「メタフォース14b/c」がある。
胸突八丁の登りをこなし、鎖場をこなし、馬の背へのハシゴを登る。
馬の背からは南アルプスの展望が広がる。
中央の大きな山容は聖岳である。
普段、見ることのない角度からで初めはわからなかった。
山頂は展望台のヤグラがあり、興ざめであるが眺望は素晴らしい。
初めて奥三河の山に足を踏み入れたが、標高こそないが、自然が深く、変化に富む素晴らしい山々であった。
とくに明神山はどこに出しても恥ずかしくない、全国に誇れる名山といえよう。
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