FrontPage/2013-09-06
西穂~奥穂縦走
秋雨前線の間隙をついて西穂から奥穂までの稜線を歩いた。
この稜線を歩くには最低でも一日、安定した天候が必要だ。
明神岳から朝日が昇る。
この朝日が縦走の必要条件かもしれない。
先日まで大雨をもたらした湿った空気の上層に大陸から乾いた空気が流れ込み雲海の上に秋の澄んだ色の青い空が広がる。
独標にたどり着くと、鋸歯状の稜線にこれからの縦走を祝福するかのようにブロッケンの環が浮かんだ。
西穂の山頂から本格的な岩稜帯となる。
脆く崩れやすい稜線は常に神経を張り巡らせておかなければならない。
天狗岳への登りは逆相のスラブ。
登山靴の性能が証明される場所だ。
天狗岳山頂より奥穂高岳は大きな障壁となって立ちはだかっている。
苦しい登りの先には何が待っているのだろうか?
ジャンダルムを正面からクライミングしてその頂に立つ。
縦走のハイライト。
城塞のように立ちはだかるジャンダルム。
奥穂側から登る登山者は大きな威圧感を感じるだろう。
ジャンを越えてもまだまだ気の抜けない下りが続く。
馬の背の稜線を越えれば奥穂高山頂は近い。
フィナーレが北アルプスで一番高い場所であることはこの縦走の価値を一層高めてくれる。
長い縦走だった。
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