FrontPage/2013-10-08
苗場山から佐武流山へ
星降る中、山小屋を発ち苗場の頂上台地の末端に差し掛かる頃、
東の空が朱く染まり陽が登ってきた。
辺りの笹ヤブは朝露に濡れ、先頭を歩くものにとっても辛いが、
これもまた季節の移ろいを感じるものである。
山の端から溢れだした陽の光が、ナナカマドを一層紅く染め上げる。
この季節にしては寒くなく、風もなく穏やかな朝だ。
赤倉山まではきちんと笹が刈られていたが、ナラズ山までの間はだいぶ笹が伸びている。
ここのような本当の山奥では、刈払いも容易ではない。
ナラズ山から振り返ると、苗場山がいつもの姿で横たわっていた。
周囲を見渡すと名も知れぬ山々がどこまでも広がっている。
ナラズ山を過ぎると笹も勢いを減じて、大分歩きやすくなった。
水無尾根を合わせると傾斜も緩み道も良くなる。
静かな山頂では東の谷川岳方面のみが開けていた。
ただ爽やかな秋の風が吹き抜けていた。
ワルサ峰への登り返しがきつかった。
下降路の水無尾根は急峻で歩きにくい道が続いた。
檜俣川を渡渉して林道までの登り返しも苦しかった。
最後の林道歩きも長かった。
切明温泉の湯が疲れた足を癒してくれた…。
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