FrontPage/2014-02-10
谷川岳
天気がもつのは一日限りだった。
二日を要する八ヶ岳はあきらめ谷川岳へと日帰りした。
事実、翌日は東京でも10㎝以上の降雪となった。
予報に反して天神平の駅を降りると軽く吹雪いていた。
視界もあまり得られないまま歩を進めた。
敗退するパーティーも多かったが、彼らは概ね雪山に慣れていない様子だった。
霧の山頂を辞すると次第に視界は開かれてきた。
淀みなく広がる純白の斜面が背後のまだら模様の山麓とコントラストを成して、まるで幻影のようにあたりを覆っている。
陰影を成す尾根は、笹原広がる夏の穏やかな姿とは対照的で躍動的で力強い。
振り返れば谷川岳はただただ大きく、気品に満ちた姿でたたずんでいた。
コメント