FrontPage/2014-05-21
琴浦アルプス
琴浦アルプスとは東大山の三鈷峰から矢筈ヶ山~甲ヶ山~船上山へかけて
10ほどピークをもつ稜線のことです。
標高は低いながら、ところどころにスリリングな岩場が現れ
まさに(日本)アルプス的な雰囲気を醸し出しています。
また西日本を代表するであろうブナの原生林もすばらしい景観を見せてくれます。
起点は一向ヶ平。
「いっこうがだいら」ではなく「いっこうがなる」のキャンプ場から渓谷沿いに歩をすすめ、
やがて大山一の名瀑といわれる大山滝を望みます。
上から見下ろす形だったので迫力はいまいちでした。
やはり滝は見上げねばなりません。
新緑のブナの林に癒されながら進み、大休峠から矢筈ヶ岳の山頂に達しました。
山頂に着くと展望が良いはずですがガスに覆われ展望は得られませんでした。
休憩していると次第にガスが切れ始め青空がのぞくようになりました。
甲ヶ山の端正なすがたが見え隠れします。
甲ヶ山へは大きな岩峰が立ち塞がるようにそびえていますので、それを巻くように道がつけられています。
とはいっても外傾した岩場をトラバースしなければなりませんので注意が必要です。
ときおりこうした難所が現れると長い縦走にメリハリがついて楽しみも増すものです。
巻き道から登りへかかると快適な岩稜となって山頂へと導かれます。
甲ヶ山から越えてきた矢筈ヶ山の姿を窺うと、なるほど双耳峰を成していることがわかります。
稜線には紅の濃いダイセンミツバツツジが新緑に彩りを添えています。
山頂からの下りでは通称「ゴジラの背」と呼ばれる岩稜帯があり、これを楽しく越えていきます。
道はぬかるみ、藪が覆ったり倒木があったりとワイルドな縦走路を楽しむことができます。
平凡な勝田ヶ山を過ぎると道は次第によくなり、ブナの大木の林立する台地へと導かれます。
ここは船上山の頂上台地の一角で特に船上神社の奥宮のあたりの森は、非常に貴重なものだと思います。
この辺りには後醍醐天皇の行宮跡などがあり歴史的に重要な場所だったようです。
隠岐の島から逃れた後醍醐天皇は船上山に80余日過ごし、ここから倒幕の論旨を発し「建武の新政」へとつながったそうです。
不意に雨が降り始め、あわてて雨具を着ましたが頭上を覆う枝葉のおかげで濡れることなく下山することができました。
コメント