FrontPage/2015-05-21
大峰奥駈道・第二弾
大峰奥駈道の続きは豊かな森の稜線であった。
新緑の下、5月の爽やかな風が吹き抜けていた。
ここでも山上ヶ岳へ続く道は律儀に結界が張られていた。
倒木もまた歴史の深さを静かに物語る。
ここではあらゆるものに神が宿る。
時折、岩場が現れて私たちの行く手を阻む。
古びた鎖はいつごろつけられたものだろうか。
見下ろすと渓は鮮やかな緑に埋め尽くされていた。
遠くに台高山脈のへ続く山々が押し寄せる波濤のように連なっていた。
険しい道があったかと思えば、心休まる草原の小道が現れたりと様々な表情を見せてくれる。
立ち並ぶブナやカエデの老木はどれも風格があって存在感に満ちていた。
立ち枯れた大木が荒涼とした景観を見せている。
険しい釈迦ヶ岳を過ぎ、南奥駈道へ入ると一変して優しく穏やかな尾根道となる。
大日岳では修験者が厳しい修行を重ねていた。
辺りに法螺貝の音がこだまする。
厳しい修行の果てに彼らはいったい何を見出すのであろうか。
凡庸な思考ではいつまで思いを巡らせても埒が明かない。
奥駈道をすべて歩き果たした時に、その一端に触れることができるのかもしれない…。
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