FrontPage/2016-01-15
厳冬の木曽駒ヶ岳
閑散としたロープウェイを降りて千畳敷の駅を出ると
真っ白な千畳敷カールと真っ青な空が飛び込んできた。
準備を整えて新雪
に足を踏み入れる。
先行者はすでにラッセルを始めてトレースを刻んでいるようだ。
昨夜降り積もった雪は極上のパウダースノーでスキーヤーにとっては垂涎もの。
トレースを追いかけるとあっという間に先頭に追い付いた。
ここからはラッセルを交代しながら高度を稼ぐ。
途中、傾斜が出てきたところで弱層テストを行い雪崩の危険がないか探る。
降雪直後の斜面はとくに注意が必要だ。
新雪は40センチ程度で時に腰あたりまで潜る。
最近はしょっちゅうラッセルしているので慣れてきたのか多少の雪も苦にならない。
別パーティーの人たちでもいっしょに道を作っていると連帯感が生まれてくる。
乗越浄土からは稜線歩きとなるが強風で雪が飛ばされ積雪はほとんどない。
吹き付ける風は厳しく天気は良くとも3000mの稜線であることを実感させられる。
悠長に立ち止まっていると頬が凍りついてしまいそうだ。
あっという間に山頂へとたどり着いて記念撮影。
アップダウンの激しい中央アルプスの稜線が荒々しい。
南アルプスも端から端まで余すことなく見渡すことができた。
標高の高い稜線は白く輝いているが山麓を見下ろすと全く雪はなくて黒々としている。
下山はあっという間のシリセードを交えるが、雪が柔らかすぎてストップがかかる。
宝剣岳の岩稜が魅惑的な様相を見せている。
あんなに強かった稜線の風もカールの底に降り立てば音もなく、雪は重力のまま落ちていた。
逆光線に輝いて、まるで宝石の欠片のようだった。
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