FrontPage/2016-09-03
黄連谷右俣から日向八丁尾根
「夏の黄連谷にはカンツォーネがよく似合う」とはよく言ったものだ。
明るく開けたスラブを青空に向かって登っていく。
甲斐の名峰・甲斐駒ケ岳へ突き上げる渓はまぎれもなく名渓と呼ぶにふさわしい。
日向山林道終点から尾白川へ降り立つと独特な碧い水が流れている。
次々と現れる豪快な滝。
難しい滝には明瞭な巻き道がついている。
台風の後で水量はやや多いが遡行には問題ない。
滑り台状の噴水滝。
文字通り噴水のように時折水しぶきを上げる。
千丈の滝は右に明瞭な踏み跡がある。
坊主滝は右から巻く。
奥千丈の滝の手前の狭い幕場を後にする。
朝から青空が広がった。
逆くの字滝を登る。
水流に抗いながらホールドを探る。
滝はさらにナメ滝となって続いている。
次第に水量は減ってくるが登れる滝は極力巻かずに登っていく。
渓には巨岩が目立つ。
スケールの大きさはやはりアルプスの沢。
大きな岩を縫うように登る。
最後の滝を過ぎて源頭のお花畑を詰め、藪漕ぎは一切なしで山頂直下に飛び出した。
鋸岳方面へ下って六合石室へ。
マナーを守って大事に使いたい小屋である。
朝日を浴びる鋸岳の稜線。
主稜線を離れ烏帽子岳へ向かう。
雲海の向こうに八ヶ岳連峰が浮かぶ。
背後には根子岳と四阿山。
素晴らしい展望台の烏帽子岳。
訪れる人が稀な不遇のピークだ。
下降路の日向八丁尾根は時々現れる岩場以外は苔の回廊で非常に歩きやすい。
静かな尾根歩きを楽しみたい方にはおススメ。
黄連谷は最後まで飽きさせない素晴らしい渓谷だった。
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