FrontPage/2016-10-02
釜ノ沢西俣
奥秩父の甲武信ヶ岳に発する釜の沢は東沢となり西沢と合流して笛吹川となる。
笛吹川は甲府盆地で釜無川などあまたの川と合わさって
富士川となり駿河湾へと注ぐ。
紅葉前の人気のない西沢渓谷のつり橋を渡るところから東沢へと入る。
しばらく左岸につけられた古く荒れた道を行く。
山の神からようやく本格的な遡行が始まる。
右へ左へ渡渉を繰り返しながら先へと進む。
魚止めの滝を過ぎると釜の沢の白眉、千丈のナメとなる。
ここはいつ来てもすがすがしく歩いていて楽しい。
両門の滝は左の滝を登り西俣へと入る。
滑りやすいナメ床を過ぎると快適な幕場があり一夜を明かす。
長雨で湿り切った薪は努力の甲斐もなく炎を上げることはなかった。
翌日は倒木だらけの長い河原歩きから始まった。
数年前の大雪の傷跡か見るも無残な様相を呈している。
沢の傾斜が増してくるころようやく滝が連続して現れるようになった。
日差しも出てきて心も明るくなる。
沢はすでに源頭の雰囲気になり歩くほどに水流は細くなっていった。
水が絶えると明るい苔に覆われたシラビソの森となり藪漕ぎもなく登山道へと飛び出した。
水師のピークと甲武信ヶ岳を越えて戸渡尾根を下る。
長く急な道は疲れた身体にはより厳しく感じられた。
稜線の近くは早くも木々が色づき始めていた。
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