FrontPage/2011-12-28
台湾クライミングの旅 4日目
12月10日 (4日目)
再び山田屋での目覚め。本日も早起きです。
天気予報は…、降水確率 30%!!!
よっし! 登れる! とうとう登れるぞー!
3人の頭の中にはもう、空と海と岩、そして笑顔で登る自分たちの姿しかありませんでした。
ニヤニヤしながら勢いよく山田屋を出発。
しかし、
高速に乗ってしばらくすると…、雨。
途中の 基隆港 の電光掲示には 湿度86% の表示が点灯しています。
そして海沿いの道に出ると、ライトを点けないと危険なほどの雨と風。 脳内イメージ
3人は気づいていました。
台湾の天気予報は当てにならないこと、
そしてこの地域は海風と地形の影響で雨が降りやすいということに…。
しかし、それでも落ち込まないのがこの3人の素晴らしいところでした。
「行ってみなけりゃわからないじゃーん」
ポジティブです。どうしたらこんなにポジティブでいられるのでしょうか。
幸せとは、どんな状況でもニヤニヤできる能力のことを言うのかもしれません。
(ただの あほ ではないか?という気もしてきましたが)
にやけ顔3人の乗った車は、出発から40分で 『龍洞』 に到着しました。
現地は風は強いものの、雨はポツポツ程度。3人の心が沸き立ちます。
3人はすぐに車を降り、荷物の準備に取り掛かりました。
すると…、ポツポツ程度だった雨が
ポツポツポツポツ ⇒ ザー ⇒ ドシャ―!(雨) ゴー!(風) ドドドー!(波)
なんということでしょう。3人の到着を待ち構えていたかのように嵐が襲ってきたのです。
それでも、3人のポジティブ回路は止まりませんでした。
「雨具着ていけばいいじゃーん」 3人は防水フル装備で身を固めました。
さあ岩場へ! 歩き出そうとしたとき、顔にかかる雨の激しさに足が止まりました。
「むむ…。 これは…。 厳しい…か?」 あぁ、たいへん! ポジティブの炎が消えそうです。
臭豆腐に続き、2度目の消沈となってしまうのでしょうか!
「岩場まで行ってみなきゃわからないっしょ」 おっと、さすが3人。持ち直しました。
まずは突撃担当のミツ君が岩場まで見に行ってくれることになりました。
ミツ君の偵察の結果は ×。
吹き付ける雨で岩がびしょびしょで、とても登れる状況ではなかったのです。
とても残念でしたが、3人はクヨクヨなんてしません。
「よし!台北へ戻ってクライミングジムへ行こう!」 気持ちの切り替えの早い3人は、すでに新しいニヤニヤが始まっているのでした。
クライミングジムについては登山用品店情報と同様、のっぽが日本で調べてきていました。
ヤフーの台湾版 Yahoo!奇摩 を使って台北市内のクライミングジム事情を調査しておいたのです。
またもや 「私ってえらいでしょ」 というアピールにならないよう細心の注意を払いながら、クライミングジム情報を発表。
あぁ、なんと優しく、気が利いて、美しい女性なんだ、と勇介とミツ君は胸を打たれました。(たぶん)
“これでまた私の「いい女度」が上がったな。3つくらい上がったな” とのっぽは満足そうに笑みを浮かべるのでした。
日本で印刷してきた地図を見せ、ミツ君がナビ、勇介の運転でジムへ向かいます。
← こんなルーフ状の壁面もある、台北最大のクライミングジム『IDEA』
ここは日本で言うような純粋なクライミングジムではなく、
子供の冒険体験や大人のチームワーク訓練などのために使われる公共の教育施設です。
平日は団体予約しか受け付けていません。
休日のみ一般クライマーのために開放してくれています。
1日遊んで150元(390円)! 激安です。
3人はビレイの試験に無事合格し、ジムでのクライミングを楽しんだのでした。
閉店時間まで遊んで、大満足で帰路に着く3人。
帰路ってどこへ…? そうです、もちろん山田屋です。
またもや予約なしですが、3人は泊まれると勝手に確信しています。
予約の電話をすると、今までになく焦るオーナー山田さんの声…。
なぜならこの日は本当の本当に満室なのでした。
本当の本当に満室でしたが、オーナー山田さんは3人を見捨てませんでした。
苦悩の末、3人の宿泊をOKしてくれたのです。
山田屋に到着した3人のために用意されていた場所は…、玄関でした。
玄関を仕切った奥のスペースに布団が3枚敷いてあります。
大丈夫です。この3人は布団が敷いてあるだけで幸せなのです。
3人は荷物を置くとうれしそうに食事へ出掛けて行きました。
台湾での最後の夕食です。
今日はおいしい餃子が食べたい。でもどこのお店が美味しいのかわからない。
3人はまっすぐ、あの 【怪しいおじさん】 のもとに向かったのでした。
予想通り店先にいた 【怪しいおじさん】 にミツ君が尋ねると、1件のお店を教えてくれました。
怪しみながらもそのお店に行き餃子を食べてみると…、うっ、うまい!!!
3人の中で 【怪しいおじさん】 は 【ちょっと信用できるおじさん】 に格上げされたのでした。
餃子に満足し、【ちょっと信用できるおじさん】 のお店に戻りました。
「餃子おいしかっただろ?」 とおじさんはシメシメ顔です。
3人は1日目におじさんが美味しいと言っていた
エリンギのコショウ炒め と タケノコ炒め を注文しました。
ううっ、うまい!!!
3人の中で 【ちょっと信用できるおじさん】 は 【信頼できるおじさん】 に昇格しました。
「だから言ったろ、これがうまいって」 おじさんはうれしそうです。
【信頼できるおじさん】 は3人に イカのソーセージ も勧めました。
しかしイカがあまり好きではない3人はそれを丁重にお断りしました。
何度も勧められましたが、何度もお断りしました。
おじさんは実力行使に出ました。
3人のテーブルに勝手に イカのソーセージ を持ってきたのです。
「いいから食べてみろ!」 恐る恐る手を伸ばした3人は…、
うううっ、うまい!!!!
さらに最後に勧められた カモの肉 はもう気絶しそうなほどの美味しさ。
3人にとってこのおじさんは 【台湾で最も信頼できる人】 になったのでした。
このおじさんの魅力は知性でした。
見た目は 怪しさ100% ですが、話してみるととても物知りで
どんなことを聞いても、3人が満足するそれ以上の答えが返ってくるのでした。
おじさんには縁遠そうな山の話をしてみても (おじさんはややビール腹なので)、
素晴らしく的確で、正確で、そして山好きの3人を唸らせる有力な情報を教えてくれるのでした。
さらに
「台湾山岳協会の理事長と友達だからさ、次に台湾に来るときは一緒に飲もう」 と。
ほ、本当っすか!!!
3人の頭の中に火花が散りました。
台湾に最強のコネクションができた…。
脳の回線のショートのためか、台湾ビールの酔いのためか、ふらりふらりとなった3人は夢見心地で宿へ向かいます。
山田屋の扉を開け → 玄関で靴を脱ぐとそこは寝床 → 就寝。 (またシャワー浴びないんですか…?) つづく…。
高速に乗ると雨ザーザー 基隆港 湿度86% 岩場の入口は小学校のトイレが目印
まずは垂壁でアップ なかなか難しそうなルートだねぇ… けっこう難しいぞ バランス感覚が大事
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