FrontPage/2013-06-24
のっぽ カンボジア ひとり旅(3)

今日は昨日行って気に入った、バイヨンとタプロームを
たっぷりじっくり見ようと決めました。
早起きをして、8時前にトゥクトゥクで出発。
天気がいい! ひゃっほー!
カンボジアに来て初めての青空だー。
まずはバイヨン。
今日も観世音菩薩さま達はにこやか。
朝早くから多くの観光客が見学に来ています。


カンボジアでは、どの遺跡にもたくさんの子供がいます。
貧しくて学校へ行けない子供たちが、
絵ハガキなどを売ったり、観光客をガイド&写真撮影をして
チップをもらうことで生活しています。
裸足で、日に焼けて真っ黒になりながら。
私も10歳くらいの男の子に声を掛けられました。
写真スポットに連れて行ってくれ、数枚写真を撮ってくれました。
バイヨンでは観世音菩薩さまとの鼻&鼻のキス写真が定番のようです。
ありがとう。ひとり旅だと自分の写真は撮れないから、うれしいよ。
カメラを返してもらいながら、チップを要求されるのを待っていたら…、
彼が欲しがったのはチップではなく ペン でした。
ハッとさせられました…。そうだよね、勉強したいんだよね…。
なんだかとっても胸が苦しくなりました。
「ごめんね、いまペンを持っていないんだ」 と言ったときのがっかりした表情が
忘れられません。
成田空港で配ってた粗品のボールペン、もらっておくんだったと後悔。
もしまたカンボジアに来ることがあったら、
その時にはたくさん勉強道具を持ってきてあげるね。


カンボジアの遺跡は、
もともと仏経寺院として建てられたものが
その後ヒンズー教の寺院に改造されたため、
ブッダを表す彫刻や仏像はその時に全て破壊されました。
しかし現在は9割の国民が仏教徒。
ふたたび仏教の国となり、遺跡には仏像が運び込まれ、
祀られています。
仏像の傍らには、仏像を守る人がいて
常にお線香を絶やしません。
小さな仏像を守っていたおばちゃま ふたり。
私がお線香をあげさせてもらうと
「あなたは可愛いから写真を撮ってあげる」 と。
わー。 ありがとうございます。
← おばちゃま、笑顔がかわいい!

ここに座って! こっち向いて! 顔はもっと上向き! など
いろいろな指示をしながら
カメラの液晶を見て きゃっきゃ きゃっきゃ している
おばちゃまふたり。
シャッターを切っては
「きゃー可愛い!」 「きゃービューティフル!」 と
盛り上がっています。
仏像の前でこんなに騒いでいいのかい?と
ちょっと笑ってしまいました。
やっぱり、どうも私の顔はカンボジア人好みのようです。
こんなにモテモテなのは生まれて初めてなので、
恥ずかしいけど ちょっとうれしい◎
← おばちゃまカメラマン自信作、
観世音菩薩にチュ❤の写真
私なんかより、はしゃぎまくるおばちゃまたちの方が
ずっとかわいかったです◎


バイヨンを大満喫。
隅々まで ゆっくりじっくり見て回りました。
何を見ても
「はー…、すごいなぁ…」 という言葉しか出て来ません。
幸せと感動のため息 をたくさんついて
ブッダにお線香をあげて、ここに来れたお礼をして、
次の目的地へ。
← 勝利の門をトゥクトゥクでくぐり、タプロームへ。

ここも人気の遺跡のため、
たくさんの観光客がいます。
次から次へと観光客が来るので、
人がいない瞬間を写真に収めるのは難しい。
写真を撮るよりも、ゆっくりじっくり見て回り
この場所この時間を堪能しようと
ひとりで見学していると…、
警備員さんから声を掛けられました。
「あなたはビューティフルだから
私が写真を撮ってあげよう」 と。
もう、本当にモテモテです。
その気になれば、私 カンボジアで
デビューできるかもしれません(笑)
それからは、警備員さんおすすめの
写真スポットへ連れまわされ、
撮影会のような感じに。
私もちょっと調子に乗りモデル気分。




持ち上げられて いい気になっていたら…、ちょっと疲れてしまいました。
遺跡を見る暇もなく おススメ写真スポットを早足で移動・写真・移動・写真…。
ありがたいけど、もっとちゃんと遺跡を見たい…。
警備員さんにお礼を言って別れて、そこからは ゆっくりじっくり ひとりで散策。
樹齢300年以上のこの巨木たちは、人の行いをずっと見てきたんだろうな。
人間は自分たちで建てたこの寺院を、戦争を起こして自分たちで破壊した。
そして今また修復しようと汗を流し、見物人が毎日に押し寄せる。
バカだなって思ってる?
あなた方のように、ただただ まっすぐ生きられたらいいのにね。
人間は根っこがないから自由だけど、その分とても欲張りなんだよ。
もっと、もっと、という気持ちが争いを生んでしまう。
あなた方のような そのずっしりした根っこを、
どうか私の心の中にも与えてください。
← 木の根に埋もれた笑顔の仏像

タプロームを歩き回り、胸がいっぱいになったら
次は今日の最後の目的地、タソムへ。
カンボジアのこのような森に侵食された遺跡は
映画 「天空の城 ラピュタ」 のモデルになったと言われています。
ここも遺跡の上に木々が宿り、
緻密に組まれた石材と彫刻に太い根が絡み付いています。
突然のスコールで、ひとり この門の中で過ごした時間が
とても神聖で神秘的でした。
雨の音に包まれる、土と石と森と私。
私を雨から守ってくれているのは、観世音菩薩の四面仏。
今がいつで、ここがどこなのかわからなくなるような不思議な感覚。
雨は音と共に地に吸い込まれ、みずみずしい空気が辺りを満たすと
夢から覚めたような重みが戻ってきます。
スコールがくれたこの数分は私の宝物になりました。



たっぷりと満たされたような気分になって、散策終了。
トゥクトゥクでホテルに戻ります。 途中でガソリンを補充。
ガソリンは屋台でボトルに入れられて売られています。
だ、大丈夫? 日本ではガソリンをポリ容器に入れるの禁止だけどな…。
明るいうちに帰れたので、
オールドマーケットへ買い物に行くことに。
今回の旅で初めてのショッピングだったのだけど、
その熱気、密集、煩雑、底知れぬパワーに圧倒され、
大した買い物もせずに敗退…。

まぁ特に欲しいものも
見つからなかったので、
近くのカフェで
カンボジアスイーツを食べて
ホテルへ戻りました。
ココナッツミルクをかけた緑豆に
かき氷&練乳を乗せたものと
蓮の実茶。
明日は遠出するので、
早く寝ようっと。 【つづく】


コメント