FrontPage/2013-06-26
のっぽ カンボジア ひとり旅(5)
今日はプレビヒアに行きます!(日本では「プレア・ヴィヘア」と言われています)
プレビヒアはタイとの国境地帯にある遺跡。
国際司法裁判所でカンボジア領と認められてはいますが、タイが領有権を主張し続けていて、
緊張状態にあると言われている遺跡です。
地雷は意図的に撤去されておらず、5年前には銃撃戦も起きています。
日本の外務省はこの遺跡への渡航を控えるよう、海外危険情報を発出しています。
でも行ってみたい。ここからの景色が見てみたいんです。
ひとり旅が5人旅になった今日、ホテルのスタッフたちと一緒に出発です!
(小さなホテルなのに、スタッフ4人もお出掛けしちゃって大丈夫なのかな…)
ホテルの前には、昨日とおんなじレンタカーとホテルの専属ドライバーさん。 今日もよろしくお願いいたします♪
車に乗り込むと…、助手席に女の子が乗ってます。
誰??? と思っていたら、
ドライバーさんが 「うちの奥さんも連れて行っていいですか?」 って。
もちろん! 総勢6人で出発です!
ドライバーさん以外は全員、
プレビヒアに行くのは初めて。みんなウキウキです。
片道4時間の長旅。 朝8時に出発。
あいにくの曇り空なのがちょっと心配。 どうか晴れますように。
← 前輪の空気、抜けてない? 大丈夫?
カンボジアは信号がほとんどありません。
4時間の道のりで、信号機は3つだけでした。
道はまっすぐ。 道沿いに小さな家がポツポツと続き、
ときどき集落があり、あとは広大な平原のみ。
田んぼを水牛が耕していたり、牛が放牧されていたり
のどかな景色が続きます。
日本のように森や山などの視界を遮るものがないので、
空がとても広くて圧倒されます。
ここの星空はきれいなんだろうなぁ。
途中、路肩に車を止めてのトイレ休憩が2回。
最初、えっ! ここで!? とびっくりしてしまいました。
だって平原なんですもん。 視界を遮るものはないのです。
ガイドブックで
“カンボジアはまだまだ多くの地雷が残っているので、
むやみに森の中や藪の中へ立ち入ってはいけない”
と書かれているのを何度も見ましたが…。
仕方ないか。 ちょっとビクビクしながら
背が高めの草の陰でおトイレしました。
ワイルドだぜ。
奥さんがいてくれてよかったー。
女性が私だけだったら心細かったよ。
車に戻ると、奥さんがいろいろと食べ始めました。
「ごめんなさい、お腹にあかちゃんがいるから、
すぐにお腹が空いちゃうの」 って。
わー♪ おめでたい◎ なんだかとっても嬉しいな。
3時間くらい走ったところで、小さな街に立ち寄りました。
お昼は、現地で食事すると高くつくので
ここで安く調達して行こうとのこと。
こんなことを言っては失礼かもしれませんが、
かなり貧しい街でした。
農作物や魚やお肉(家畜の)は豊富でしたが、
それ以外のものはほとんどありません。
屋台でおかず4品とスイカを3玉購入。
さあ行きましょう!
30分ほど走ると、ドライバーさんが
「あの山の頂上がプレビヒアだよ!」 と教えてくれました。
みんな大興奮。 写真を撮りまくり。
雲が多いのが気になるなぁ。 お願い、晴れてー!
そして! やっとチケットのチェックポイントに到着。
ここで外国人はパスポートのチェックと
観光チケット代5ドルを支払い。(カンボジア人はタダ)
さらに、
ここで自家用車からピックアップトラックに乗り換えます。
車代25ドルが必要です。
荷物をレンタカーからトラックに移動。
炊飯器、スイカ3つ、お弁当箱などなど。
ドライバーさんと奥さんは車の中へ、
私と男の子たちは荷台に乗って、いざ頂上へ!!
急こう配の坂道をぐんぐん上がります。
約6km、比高500m。
自分たちのいた平原が、どんどん遠ざかります。
空が近づいてくる!
地平線が見える! 揺れる! 落ちる~!
みんなで キャー! わー! ビューティフール! と
大騒ぎ。
20分ほどの豪快なドライブ。 遊園地のアトラクションみたいで楽しかった◎ そして頂上に到着。
雲が少し晴れてきました。 今のうちに遺跡を見に行きたいなーと思ったけど、まずはランチ。
遺跡の手前がピクニック場になっていました。
日本だったら地面にレジャーシートを敷いてご飯を食べますが、
カンボジア式ピクニック場は、高床式の板の間という感じ。 屋根もついていることが多いですが、
私たちが選んだのは大きな木の下の板の間。 しかも下に川が流れていて、京都の川床みたいな感じ。
そこにご飯を並べて、ランチタイム。 炊飯器ごとご飯を持って来るって斬新。
まずは ネアックター と呼ばれる、その土地の精霊にお供えをして、それから食事スタートです。
お料理担当スタッフ(勝手にコック君と呼びます)が、
お弁当を作ってきてくれていました。
ニガウリに
みじん切りのねぎと挽肉と春雨を詰めてさっぱりと煮た
スガオ・マリャ というクメール伝統料理。
ガイドブックには
“通常は予約しなくては食べられない”と書いてあります。
そんな手の込んだ料理を私のために…、ありがとう!
さっぱりしてて美味しかった。
屋台で買ったのは、鶏肉と千切りしょうがの炒め物、
青菜とナマズのチリソース煮、豚肉と筍とゆで卵の甘辛煮。
あと、ドジョウのような魚の素揚げ。
どれもほっとする味。
クメール料理は日本人の口に合いますね。
有名遺跡周辺の食事処は観光客に向けたピザ、パスタ、ヌードル、チャーハンなどの万人受けするメニューばかりなので、
こうしてクメール料理が食べれるのが本当にうれしいです。
さて、腹ごしらえをしたら出発です! 入り口で再度パスポートの確認がありました。 緊張します。
陽が射してきた! いいね、いいね!
← この先にタイとの国境があります。 でも、平和です。
国境警備隊の人が双眼鏡を貸してくれて、
タイ側の監視所(?)が見えたけど
誰もいないようでした。
タイの監視所
左から、
ドライバーの奥さん(23才、おなかに赤ちゃん)
ドライバーさん(33才、奥さんにすっごく優しい)
受付の子(受付君。22才。おちゃめで優しい)
お料理担当(コック君、シャイ、彼女募集中)
ボーイの子(ボーイ君、英語がいちばんうまい)
カンボジア人は K の発音が苦手なようです。
私が日本人だとわかると、
「トクショ? トクショかい?」 とよく聞かれます。
トクショってなんだ…、もしかしてトウキョウ?
「そうだよ東京だよ」 と言うと 「OK、OK」 と
話がつながります。
私の名前も 「キヨコだよ」 と言っても
「チコ」 とか 「コト」 とかなってしまって
全くキヨコと発音できません。
逆に私も、カンボジア人の名前が難しすぎて
全く発音できません。たぶん日本人には不可能です。
こんなに再現できない発音があるんだなと驚きです。
なのでみんなは私のことを 「レディー」 と呼び、
私はみんなのことを勝手な呼び名で読んでいます。
みんな小柄。 のっぽな私はかなり目立つかも。
みんなで はしゃぎまくって楽しかった!
でも残念ながら雲がどんどん厚くなってきて
雨が降り出しそうな気配がしてきました。
もう一度、青空の時にこの景色を見てみたいな。
またここに来れたらいいな。
名残惜しいけど帰らなきゃ。 帰路も長いし。
後ろ振り向き 振り向き、遺跡をあとにします。
みなさん、とっても敬虔な仏教徒。
遺跡の中の寺院には、スイカをお供えしました。
帰る前に、きっと普通の観光客なら立寄らないような
駐車場の奥の寺院にも参拝。
お坊さんの読経を受けて、お布施。
とっても貴重な体験をさせていただきました。
帰りはまた4時間の道のり。
途中、農家の露店で熱々の茹でトウモロコシを買って
みんなでかじりつきます。 熱がりながら、笑いながら。
白いトウモロコシ。味はあんまりないけど、
トウモロコシの香りと、もっちり ねっとりした食感が美味しい。
日本のサクサクしたトウモロコシより、こっちの方が好きかも◎
ゆっくりと日が暮れていきます。
ポツリ ポツリ とある沿道の家々は高床式で、
玄関にはドアがありません。
屋根も壁も、木材だったり植物の葉だったり。
シンプルで質素。
その開放的な玄関から、
ろうそくの明かりが灯っているのが窺えます。
きっと家族寄り添って眠るんだろうな。
4時間のドライブを経てホテルに到着。
シャワーを浴びてロビーへ降りると、
受付君がまた食事に誘ってくれました。
今夜はお昼の残りのニガウリ料理と、
豚肉のレモングラス炒めと、卵焼き。
どれも本当に美味しい。
コック君に 「日本にはレモングラスはないんだよ」 と言ったら、めちゃくちゃ驚いていました。
毎晩みなさんの夕食に誘ってくれて、ありがとうございました。
すごくうれしかったし、美味しかったし、楽しくて幸せでした◎
これが最後のディナーと思うとちょっとさびしいよ。 明日は最終日かぁ…。 【つづく】
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